甲状腺癌の腫瘍マーカー(サイログロブリン,p53抗体,SCC,CA125,CA19-9,sIL2-R)[橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 大学院医学研究科 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。
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Summary
サイログロブリンは甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)・甲状腺良性腫瘍(良性濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫)、甲状腺機能亢進症/バセドウ病、甲状腺機能低下症/橋本病・無痛性甲状腺炎・亜急性甲状腺炎・甲状腺悪性リンパ腫・転移性甲状腺癌の組織破壊で上昇、sIL2-R (可溶性インターロイキン2受容体)は甲状腺悪性リンパ腫、SCCは甲状腺原発扁平上皮癌(甲状腺未分化癌の一つ)の腫瘍マーカー。p53抗体は分化型甲状腺癌の脱分化を示す。NK(ナチュラル キラー)細胞活性は癌免疫、TTF-1(甲状腺転写因子)は病理標本染色、CA19-9とCA125は卵巣甲状腺腫で上昇。
Keywords
甲状腺癌,腫瘍マーカー,サイログロブリン,乳頭癌,濾胞癌,sIL2-R,可溶性インターロイキン2受容体,悪性リンパ腫,p53抗体,TTF-1,SCC,未分化癌,CA125,卵巣甲状腺腫,甲状腺
一般的に、腫瘍マーカーは癌の目印として、診断の補助や、癌の治療効果判定、再発の指標として有用ですが、極一部を除いて早期発見には無効とされます。
しかし、特殊な癌である甲状腺癌の腫瘍マーカーは、他臓器癌と大きく性質が異なります。
サイログロブリンは相対的な甲状腺の腫瘍マーカーです(絶対的ではありません)。と言うのは、
- 甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)で過剰産生されるだけではない
- 甲状腺良性腫瘍の良性濾胞腺腫や腺腫様甲状腺腫[腺腫様結節(過形成結節)の集合体]でも、過剰産生されて上昇する
- 甲状腺機能亢進症/バセドウ病でも、TSHレセプター抗体(TRAb)の刺激に反応して過剰産生されるため、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の活動性を反映する
- 甲状腺機能低下症では、TSH(甲状腺刺激ホルモン)の刺激に反応して過剰産生される
- 橋本病・無痛性甲状腺炎・亜急性甲状腺炎・甲状腺悪性リンパ腫・甲状腺低分化癌・甲状腺未分化癌、転移性甲状腺癌(他臓器の癌から甲状腺への転移)でも、甲状腺組織の破壊によって血中へ流出するため、破壊の活動性を反映する
よって、血中サイログロブリンが上昇しても甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)とは限らないのです。また、全ての甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)で上昇する訳ではありません。
甲状腺乳頭癌については、血中サイログロブリン値が診断にあまり有用でないとの報告が多い。[Eur J Surg Oncol. 1998 Dec;24(6):553-7.]
甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)で遠隔転移のある場合には、血中サイログロブリン値が5千~2万 ng/mL 以上(正常値33.7 ng/mL 未満)になる事もあります。[Endocrine. 2018 Oct;62(1):26-33.]
[Clin Chim Acta. 2008 Feb;388(1-2):15-21.][Clin Chim Acta. 2015 Apr 15;444:310-7.]
上條甲状腺クリニックのデータでは、甲状腺乳頭癌を除くと血中サイログロブリン値が
- 1000 ng/mL 未満なら、28%が甲状腺濾胞癌、それ以外良性
- 1000 ng/mL 以上なら、46%が甲状腺濾胞癌、それ以外良性
で、血中サイログロブリン値が高ければ甲状腺濾胞癌の可能性は高いものの、必ずしも甲状腺濾胞癌と限らないのです。
抗サイログロブリン抗体(Tg-Ab)を持っているとサイログロブリンが偽低値に
元々、橋本病の自己抗体(自分の甲状腺を破壊する抗体)の一つ抗サイログロブリン抗体(Tg-Ab)を持っている方では、サイログロブリンの測定系に同抗体が干渉し、実際の値よりも低いサイログロブリン値になります。しかも、甲状腺乳頭癌の30%はTg-Abが陽性です(Arq Bras Endocrinol Metabol. 2004 Aug;48(4):487-92.)。[抗サイログロブリン抗体(Tg-Ab) ]
液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS法)による新しいポリクローナル競合サイログロブリンアッセイでは、Tg-Abの影響を排除できる可能性があります。[Endocrine. 2021 Jun;72(3):784-790.][Eur Thyroid J. 2022 Jan 19;11(1):e210041.]
- 洗浄液中サイログロブリン値が10 ng/mL 以上なら感度72.7%, 特異度95.4%, 正診率86.6%で甲状腺乳頭癌リンパ節転移と診断できます(伊藤病院公表データ)。カットオフ値は16.8 ng/mL が良いそうです。(第57回 日本甲状腺学会 P1-080 頚部リンパ節転移例の穿刺液中サイログロブリン値の検討)
- 隈病院の検討では、
①血清サイログロブリン濃度より高い場合を陽性に設定すると、細胞診断の感度78%なのに対して、FNA-Tgは感度81%になります(World J surg. 2005;29:483-5)。しかし、血清サイログロブリン濃度が低い場合、偽陽性になるため、特異度は低いようです。
②カットオフ値を15.93 ng/mL にすると感度・特異度ともに91%になります。(第58回 日本甲状腺学会 O-2-2 リンパ節穿刺材料を用いたサイログロブリン測定のCutOff値の検討)
- 新たに開発された高感度サイログロブリン測定(エクルー シス)を用いたカットオフ値は、伊藤病院の報告によると、2.08 ng/mLで、かなり低値になります。(感度78.5%、特異度86.9%、正診率84.2%)
(第60回 日本甲状腺学会 O4-4 エクルーシス試薬サイログロブリン2を用いた頚部リンパ節転移の穿刺液中サイログロブリン値について)
抗サイログロブリン抗体(Tg-Ab)、TSH抑制療法でFNA-Tgが偽陰性
元々、橋本病の自己抗体[自分の甲状腺を破壊する抗体]の一つ抗サイログロブリン抗体(Tg-Ab)を持っている方では、サイログロブリンの測定系に同抗体が干渉し、サイログロブリンが実際の値よりも低くなり、FNA-Tgが偽陰性になるとされます。(Arq Bras Endocrinol Metabol. 2010 Aug; 54(6):550-4.)(Eur J Endocrinol. 2015 Oct; 173(4):489-97.)
また、甲状腺乳頭癌/甲状腺濾胞癌の再発を抑えるためのTSH抑制療法では、TSH刺激による癌細胞のサイログロブリンが抑制され、FNA-Tgが偽陰性になるとされます。(Thyroid. 2015 Apr; 25(4):410-6.)
甲状腺濾胞癌でもリンパ節転移
甲状腺濾胞癌は血行性転移なので、リンパ節転移しないと言うのは間違いです。甲状腺乳頭癌と比較すれば極めて少ないですが、元々、甲状腺濾胞細胞から発生した癌である以上、リンパ節転移はあり得ます。(甲状腺濾胞癌局所再発)
p53抗体と甲状腺
p53変異が甲状腺乳頭癌において未分化変異の原因となる可能性が示唆されています。[Cancer. 2005 Jun 1;103(11):2261-8.]
そして、血清p53抗体のレベルは、分化型甲状腺癌患者の脱分化の指標になるとの報告があります。[Ann Nucl Med. 2014 Jan;28(1):42-6.]
また更に悪性度の高い甲状腺未分化癌組織の50〜80%でp53 点突然変異を認めます。[Int J Mol Sci. 2017 Jun 21;18(6):1325.]
甲状腺低分化癌の10.5%、甲状腺未分化癌の25%で核内p53タンパク質が陽性になり、生物学的悪性度のマーカーである可能性。[Cancer Lett. 1996 May 15;103(1):57-63.]
野口病院の報告によると、手術を行った甲状腺未分化がん24 例中、BRAF(38%)、RAS(8%)、PI3KA(4%)、AKT1(4%)、PTEN(8%)、EGFR(0%)、ALK(0%)、p53(46%)の遺伝子変異を認め、
p53 変異11例のうち、5 例はBRAF変異、1 例はRAS変異、5 例はBRAF/RAS いずれの変異も無かったとの事です。(第56回 日本甲状腺学会 O3-6 未分化がんの遺伝子変異)
Li-Fraumeni症候群(リ・フラウメニ症候群)は、生まれつきの癌抑制遺伝子p53変異が、常染色体優性遺伝する病気です。子どもに50%の確率でp53変異が受け継がれます。以前は稀と考えられていましたが、5千~2万人に1人と推定されます。
Li-Fraumeni症候群(リ・フラウメニ症候群)は、30歳までに約50%、60歳までに男性は約70%・女性は約90%が発がんします。女性では約30%に乳がんが発生し、その1/3は30歳以前に発症、閉経前乳がんが多いのも特徴です。
軟部組織肉腫/骨肉腫はLi-Fraumeni症候群(リ・フラウメニ症候群)関連腫瘍の約25%を占め、副腎皮質癌は約7-11%です。副腎皮質癌は、元々まれな病気で、副腎皮質癌が見つかれば、Li-Fraumeni症候群(リ・フラウメニ症候群)の可能性が高いと言えます。
甲状腺癌(17-21%)、大腸癌(転移性甲状腺癌をおこす可能性あり)、腎細胞癌(転移性甲状腺癌をおこす可能性あり)、脳腫瘍、白血病、細気管支肺胞上皮がんなども起こり得ます。
[1999 Jan 19 [updated 2019 Nov 21]. In: Adam MP, Feldman J, Mirzaa GM, Pagon RA, Wallace SE, Bean LJH, Gripp KW, Amemiya A, editors. GeneReviews® [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993–2024.][Cancer Res Treat. 2024 Jan;56(1):334-341.]
悪性リンパ腫ではsIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体)が産生され高値になります。
- sIL2-Rは、甲状腺機能亢進症/バセドウ病、無痛性甲状腺炎など甲状腺中毒症において、甲状腺ホルモンがリンパ球を刺激する事により高値になります。治療により甲状腺ホルモンが低下するとsIL-2Rも低下します。(Clin Endocrinol (Oxf). 1992 Nov;37(5):415-22.)(Neuroimmunomodulation. 2011;18(1):45-51.)
- 実際の所、甲状腺悪性リンパ腫(MALT, DLBCL)は、甲状腺外悪性リンパ腫に比べ病勢の弱いものが多く、sIL2-Rはリンパ腫の大きさの割に低い(小さいものでは正常)症例が多い
- sIL2-Rは、そもそも抗原刺激を受けた活性型T細胞に発現したCD25α鎖が血中に遊離したものです。よって、悪性リンパ腫以外で高値になっても不思議でなく、
①成人T細胞白血病/リンパ腫、リンパ性白血病
②サルコイドーシス/膠原病、結核・肝炎/伝染性単核球症などのウイルス感染症
③血球貪食症候群
④肺癌、大腸がん、胃がんなど固形がん(下記)
でも上昇します
- sIL-2Rは腎から排泄されるため、腎機能低下により高値となります。
(右)の組織像。紫の点が悪性リンパ腫細胞の核です。甲状腺濾胞に浸潤しているのがわかります。
また、LDH(乳酸脱水素酵素)は、悪性リンパ腫の国際予後因子ですが、甲状腺悪性リンパ腫(MALT, DLBCL)は、甲状腺外悪性リンパ腫に比べ病勢が弱く、LDH(乳酸脱水素酵素)が上昇しない症例が多いです。
院長の恩師の学会報告
バセドウ病で甲状腺内に浸潤したTリンパ球がsIL-2Rを異常産生し、抗甲状腺剤(メルカゾール)抵抗性を引き起こす可能性がある。
「血清可溶性インターロイキン2受容体が異常高値を呈したGraves患者の一例」(日本内分泌学会)
甲状腺機能亢進症/バセドウ病でもsIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体)高値と腹部リンパ節の多発腫大
甲状腺機能亢進症/バセドウ病でも
- sIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体)高値
- 腹部リンパ節(傍大動脈リンパ節と腸間膜リンパ節)の多発腫大、上縦隔リンパ節腫大を伴う事も
- 汎血球減少
をきたすことがあります。
可能性として、特に腹部リンパ節(傍大動脈リンパ節と腸間膜リンパ節)内のリンパ球が、甲状腺ホルモンに反応してsIL2-Rを分泌したと考えれば説明できるかもしれません。しかし、なぜ特に腹部リンパ節(傍大動脈リンパ節と腸間膜リンパ節)なのか理由は不明です。
おそらく、最初に汎血球減少があるため、血液癌(悪性リンパ腫など)を疑いsIL2-R測定したら高値。悪性リンパ腫の疑いが濃くなり、全身CT検査をした結果、腹部リンパ節(傍大動脈リンパ節と腸間膜リンパ節)が見つかったのでしょう。
腹部リンパ節(傍大動脈リンパ節と腸間膜リンパ節)が際立って腫れていれば、益々、悪性リンパ腫を疑ってしまいます。
それ以外にも、2系統以上の血球減少から悪性リンパ腫が疑われ、sIL2-R高値だったが、最終的に甲状腺機能亢進症/バセドウ病だった例はあります。
- 慶應義塾大学の報告では、最初に脾腫と血小板減少(Plt 54000/μL)と貧血(Hb 9.8 g/dL)(第57回 日本甲状腺学会 P1-024 腹部リンパ節の多発腫大とsIL2R の上昇を認めた重症バセドウ病の一例)
- 九州大学の報告では、最初に脾腫と白血球減少(1950/μL)、血小板減少(Plt 80000/μL)と貧血(Hb 8.2 g/dL)、末梢血には9%のCD5陽性B細胞、骨髄にはCD10陽性B細胞が35%。(Rinsho Ketsueki. 2008 Feb;49(2):104-8.)
最終的には、治療による甲状腺ホルモンの低下に伴い、汎血球減少は改善し、sIL-2Rも低下します。
血球貪食症候群
sIL2-R (可溶性インターロイキン2受容体)は血球貪食症候群でも上昇します。
甲状腺と血球貪食症候群 を御覧下さい。
肺癌、大腸がん、胃がんなど固形がんでは、癌免疫においてT細胞が活性化され、sIL2-R (可溶性インターロイキン2受容体)が上昇します。(Cancer. 1991 Sep 1;68(5):1045-9.)(Cancer Immunol Immunother. 1998 Jan;45(5):241-9.)(Oncology. 1999;56(1):54-8.)
甲状腺腫瘍に合併する他臓器がん、甲状腺癌との重複癌は、甲状腺原発悪性リンパ腫と間違えない様要注意
糖尿病と発癌
糖尿病は全癌,大腸癌,肝臓癌,膵臓癌リスク増加と関連するとされます。しかしながら、甲状腺癌と明確な関連は証明されていません。糖尿病の方も、NK(ナチュラル キラー)細胞活性をお勧めします。
SCCは肺癌、食道癌、喉頭癌など扁平上皮癌の腫瘍マーカーとして有名です。甲状腺悪性腫瘍の1%を占める甲状腺原発扁平上皮癌は、甲状腺未分化癌に分類されSCCが上昇します。肺癌などの転移性甲状腺癌でもSCCが上昇します(肺癌剖検例の6.7%に甲状腺転移があるとされます)。
甲状腺扁平上皮癌の症状は、甲状腺未分化癌と同じです。甲状腺扁平上皮癌は、高カルシウム(Ca)血症おこすこともあります[腫瘍随伴体液性高Ca血症(humoral hypercalcemia of malignancy: HHM)]。
甲状腺扁平上皮癌の治療は、手術不能例では、放射線外照射+化学療法(FP療法:5-FU+CDDP)
甲状腺乳頭癌の転移リンパ節が扁平上皮癌に変化し、急激に大きくなる例も報告されています。
Thyroid transcription factor-1 (TTF-1:甲状腺転写因子) は、甲状腺濾胞上皮細胞、II 型肺胞上皮細胞/クララ細胞(界面活性物質用の物質を産生)、間脳で特異的に発現する転写因子です。TTF-1(甲状腺転写因子)は、甲状腺乳頭癌、大部分の小細胞肺癌、原発性・転移性肺腺癌で発現します。現在の所、TTF-1(甲状腺転写因子)は病理標本の染色で用いられますが、腫瘍マーカーとして臨床応用される日は来るでしょうか?
CA19-9とCA125は、
- 卵巣甲状腺腫で上昇することがあります。 詳細は、 卵巣甲状腺腫 を御覧ください。
CA125は、
- 腹水を伴う甲状腺機能低下症での上昇が報告されています。粘液水腫による粘調な腹水が、腹膜を刺激するためとする説があります。甲状腺機能正常化に伴い、CA125も(約1カ月遅れて)正常化します(腹水とCA125 )。(Endocrinol Jpn. 1989 Dec; 36(6):873-9.)
CA19-9(糖質抗原19-9;シアリルルイス抗原)は、胆管、消化管粘膜などの外分泌腺に発現していて、膵癌・胃癌・大腸癌・肺腺癌などの腫瘍マーカーになります。
甲状腺疾患でCA19-9 上昇が報告されているのは、
- 亜急性甲状腺炎;
①血中CA19-9値は上昇しないが、甲状腺組織での発現増加(Mod Pathol. 1992 May;5(3):268-72.)
②血中CA19-9値が上昇(第59回 日本甲状腺学会 P2-3-1 CA19-9 著明高値を呈した亜急性甲状腺炎の一例)
- 甲状腺髄様癌
- 甲状腺乳頭癌の肺転移で血中CA19-9値の上昇を認めた報告があります(Surg Today. 2014 Nov; 44(11):2157-61.)。
- 甲状腺未分化癌乳頭癌由来;血中CA19-9値が上昇(Pediatr Blood Cancer. 2005 Jul; 45(1):64-7.)
- 良性濾胞腺腫;血中CA19-9値は上昇しないが組織での発現増加(Diagn Cytopathol. 1998 Feb;18(2):93-7.)
- 卵巣甲状腺腫
- 橋本病/甲状腺機能低下症;血中CA19-9値が上昇し、甲状腺機能正常化に伴いCA19-9も正常化(Mayo Clin Proc. 2002 Apr; 77(4):398.)(Singapore Med J. 2010 Aug;51(8):e143-5.)(Dig Dis Sci. 2005 Apr;50(4):694-5.)
で、分化度が低下した腫瘍での産生、甲状腺濾胞細胞の炎症・破壊、代謝分解の低下によると考えられます。
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,浪速区,天王寺区,生野区も近く。