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甲状腺と遺伝    [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

DUOX2遺伝子変異・TPO遺伝子変異

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Summary

バセドウ病,橋本病,亜急性甲状腺炎,無顆粒球症など甲状腺の病気に関与するHLA遺伝子が見つかっている。多のう胞性甲状腺疾患(PCTD)は、のう胞性腫瘍や破壊によるのう胞変性ではなく、濾胞内にコロイドが貯留し拡大したもの。甲状腺機能低下症の約7%で、遺伝性も報告されている。甲状腺ホルモンを細胞中で輸送するタンパク質;マイクロ クリステリンに先天的な遺伝子異常があると、難聴になるが、甲状腺ホルモンの血中濃度は正常。ダウン症候群は甲状腺疾患を15%に合併し、甲状腺機能亢進症(思春期~20歳代に多く)と甲状腺機能低下症(全年齢)のいずれの場合もある。

Keywords

甲状腺,HLA,遺伝,甲状腺機能低下症,難聴,ダウン症,遺伝子,バセドウ病,多のう胞性甲状腺疾患,橋本病,亜急性甲状腺炎,難聴

ついに甲状腺にもHLA遺伝子型検査 (保険適応外)

甲状腺にもHLA遺伝子型検査

HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は、白血球の血液型として発見され、頭文字をとってHLAと呼ばれます。しかし、HLAは白血球だけではなく、体内のほぼ全部の細胞に分布し、組織適合性抗原(ヒトの免疫に関わる重要な分子)として働いています。

HLA検査を行うと、遺伝子型ごとに2つの型が存在します。父親と母親の型を1つずつ受け継いでいるためです。(「HLAハプロタイプ」と呼びます)

自分のHLA検査に加え、両親のHLA検査も行うと、どちらから来た遺伝子なのか判ります。

甲状腺と、甲状腺に関連のある病気のHLA
病気 HLA オッズ比
バセドウ病 HLA-A2
HLA-DPB1*05:01
2.0
4.2
無顆粒球症 HLA-DRB1*08:03:02
インスリン自己免疫症候群 HLA-DRB1*04:06 >1,000
橋本病 HLA-A2
HLA-DRw53
2.1
4.5
亜急性甲状腺炎 HLA-B*35:01
HLA-B*67:01
18.0
11.2
原発性胆汁性肝硬変
(PBC, 自己免疫性肝炎)
HLA-DR8(DRB1*08:03)
HLA-DR2(DRB1*16:02)
2.2
5.9
糖尿病Ⅰ型 HLA-B54
HLA-DRB1*04:05(劇症1型糖尿病)
HLA-DQB1*04:01(劇症1型糖尿病)
HLA-DRB1*09:01
4.8
4.0
4.3
1.3
  • バセドウ病では、最近HLA-DR3が注目されています。HLA-DR3は甲状腺内のTSHレセプター(受容体)に結合し、Tリンパ球にTSHレセプターを抗原として認識させため、TSHレセプター抗体(TSH Receptor Antibody:TR-Ab)が作られ、バセドウ病が発症するとの説が出ています(Thyroid. 2006 Dec;16(12):1221-7.)。
  • HLA-DRのアミノ酸が変化する(HLA-DRのアミノ酸多型)ことで、バセドウ病橋本病いずれになるか決まるという報告もあります(J Autoimmun. 2008;30(1-2):58–62.)。

新たな概念の甲状腺機能低下症:多のう胞性甲状腺疾患(PCTD)

多のう胞性甲状腺疾患(PCTD)

甲状腺濾胞構造

多のう胞性甲状腺疾患(PCTD; polycystic thyroid disease)は、隈病院の網野先生等が提唱した新たな概念の甲状腺機能低下症です。

甲状腺内にのう胞が多発しますが、のう胞性腫瘍や破壊によるのう胞変性ではなく、濾胞内に液体(コロイド)が貯留し拡大してのう胞になるものです。

  1. 甲状腺機能低下症の約7%を占め
  2. 高齢者に多く
  3. ヨード過剰摂取にて甲状腺機能低下症を起こし易い
  4. 橋本病(慢性甲状腺炎)の自己免疫抗体、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)が陰性

とされます。また、遺伝性の多のう胞性甲状腺疾患も報告されています。[Thyroid. 2010;20(11):1205-8.]

(↓)大小多数の のう胞がありますが、甲状腺自体は白く均一で、破壊性変化を認めません。

多のう胞性甲状腺疾患 超音波(エコー)画像
多のう胞性甲状腺疾患 超音波(エコー)画像

多のう胞性甲状腺疾患(PCTD)に甲状腺乳頭癌を合併

多のう胞性甲状腺疾患(PCTD)に甲状腺乳頭癌を合併した症例が報告されています。(第53回 日本甲状腺学会 P16 甲状腺機能低下症を呈する多発甲状腺嚢胞症例(Polycystic thyroid disease)の病理所見)

遺伝性甲状腺機能低下症

難聴と甲状腺

ペンドレッド症候群(Pendred症候群)

CRYM(マイクロ クリステリン異常症)

甲状腺ホルモンを細胞の中で輸送するタンパク質;マイクロ クリステリンに先天的な遺伝子異常があると、難聴になります。甲状腺ホルモンの血中濃度は正常です。

(右)日本甲状腺学会誌:鈴木悟先生(福島県立医科大学医学部甲状腺内分泌学講座)より

コルチ器と血管条

コルチ器と血管条の細胞内のカリウムイオンの流れ(K+サイクル)により聴力が発生します。甲状腺ホルモン受容体(TRβ)は、血管条に沿って存在し、K+サイクルに関与すると考えられています(Hum Mol Genet. 2001 Nov 1;10(23):2701-8.)。

蝸牛管の赤い部分が血管条(図;看護rooより改変)

ダウン症候群と甲状腺疾患

甲状腺疾患(15%)、関節リウマチと同じく環軸椎亜脱臼[頸髄症/椎骨脳底動脈不全](3%)、高脂血症などがみられます。成人期には肥満・高尿酸血症(痛風/腎不全)・糖尿病に要注意です。

甲状腺機能亢進症(思春期~20歳代に多く)と甲状腺機能低下症(全年齢)のいずれの場合もあります。

40%に先天性心疾患(心室中隔欠損症)などを認めます。

心室中隔欠損症(VSD)

心室中隔欠損は、小児先天性心疾患で最多、5mm以下の穴は無症状が多く、 90%が10歳までに自然閉鎖。成人しても手術必要としない方もいますが、糖尿病の免疫不全あると感染性心内膜炎 の危険あります逆流性収縮期雑音が特徴的です。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎甲状腺クリニック(大阪)


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長崎甲状腺クリニック(大阪)

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