福島原発事故と甲状腺検診、県民健康調査、ヨード131内部被曝[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 甲状腺超音波エコー検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学医学部大学院医学研究科(現、大阪公立大学医学部大学院医学研究科) 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。
長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。尚、本ページは長崎甲状腺クリニック(大阪)の経費で非営利的に運営されており、広告収入は一切得ておりません。
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甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。
Summary
福島原発事故で漏れた放射性物質はチェルノブイリの7%程度、50mSv以上被曝した小児はいないと予測されるが、広範囲にヨード131を含む放射性物質が飛散し多くの未成年者が自然放射線以上の放射線に被曝・内部被曝したのも事実。事故後の県民健康調査甲状腺検査[甲状腺超音波(エコー)検診]で見つかった甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)、小児甲状腺癌の頻度は他県と同じ。小児甲状腺癌の組織型・遺伝子変異は成人と同じ。チェルノブイリ原発事故では4-6年後に小児甲状腺癌が急増したので4年以上経たないと分からない。問題は除染対象外の森林地区に残り続ける放射性セシウム。
Keywords
福島,原発事故,甲状腺,ヨード131,内部被曝,県民健康調査,甲状腺癌,甲状腺検診,小児甲状腺癌,チェルノブイリ
2011年3月11日に起きた福島原発事故はレベル7の原発事故ですが、漏れた放射性物質はチェルノブイリの7%、50mSv以上被曝した小児はいないだろうと予測されています。あくまで予測なので真偽は不明、確かめるすべもありません。しかし、福島県を中心として広範囲に放射性物質が飛散し、直接的、あるいは食物・水を介し間接的に、多くの未成年者が自然放射線以上の放射線に被曝したことも事実です。
事故直後から4か月間の放射能汚染による外部被ばく線量の推計では、当時19歳未満の472,841名中、15mSv以上(最も高い数値で25mSv)の被ばくが15名いる事になります(CT検査1回で1mSv被ばくなので、4ヶ月で15回以上CT検査を行ったことになります)。これ流石に大人でも問題やで・・・。
現在、福島県で未成年者を対象に行われている甲状腺検診は科学的根拠からも妥当なものです。しかしながら、不安を持つ方には、さらに細かな検査を提供するのも間違いでないはずです。
「福島県では約半数の学童に甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)を認める」のが放射線の影響か否かを確かめるべく、山梨県・長崎県・青森県で福島と同様の甲状腺検診が行われました。驚くべき事に、福島県よりも高率に、のう胞性病変(嚢胞性病変)・結節性病変が見つかりました。放射線の影響を度外視しても、小児甲状腺超音波(エコー)検査は必要です。
3県の甲状腺検診では、
- A2判定[5mm以下の結節・20mm以下の充実部をともなわないのう胞(嚢胞)]:56.5%
- B判定[5.1mm以上の結節・21mm以上の充実部をともなわないのう胞(嚢胞)]:1%
そのうち35.5%がA判定に再評価・64.5%がB判定のまま
また、とあるブログでは"「福島県で起こっている事は原発事故の影響とは考えにくい」というのではなく、「日本中に原発事故の影響が及んでいる」"と主張している方もおられ、結局何が真実なのか判らないなと思いました。
精度の問題:一次検診ではノートパソコン型の簡易装置を使用
左は福島県の甲状腺検診です。2次検診では、長崎甲状腺クリニック(大阪)のデジタルハイビジョン 超音波診断装置「HI VISION Avius」の姉妹機・アシェンダスを使用しているものの、一次検診ではノートパソコン型の(正直ちゃちな)装置を採用しています(ただでさえ小児の甲状腺は小さく、頭をよく動かすので甲状腺超音波(エコー)検査をし難いのに、本当に見つけられているか疑問です)。一次検診で異常が見つからねば、2次検診へ進めないので、これではダメです。
長崎甲状腺クリニック(大阪)では言うに及ばず、最初からプレミアム超音波診断装置 ARIETTA 850 SE(甲状腺特化型)を用い、精度の高い甲状腺超音波(エコー)検査を行います。
一次検診でバセドウ病、橋本病、腺腫様甲状腺腫の有無を調べない
海外の研究者から疑問の声が聴かれます。30万人を対象とした福島県の甲状腺検診ですが、「一次検診でバセドウ病、橋本病、腺腫様甲状腺腫の有無を全く調べないのはなぜか?」というのです。2次検診で初めて調べますが、放射線が人体へ与える影響を正確に調べるのには、やはり一次検診で調べるべきです。
原発事故時の胎児はどうなるの?
原発事故時に、まだ母親の胎内に居た0歳児未満の胎児はどうなるの?放射性ヨウ素I-131 は胎盤を通過するし、母乳にも出ます。甲状腺検診の対象にすべきですが、あくまでも原発事故時に0-18歳の子供が対象者です。
福島県で現在見つかっている小児甲状腺癌は0.03%台(1万人に3人以上、4人未満)です。
- 原発事故時のSPEEDYの放射線量等分布マップと、福島県の震災時居住地域別小児甲状腺癌発生率を比べたのが図1です(Journal of the Japan Thyroid Association, 2014;vol5,138)。被曝の多い地域に小児甲状腺癌発生率が高いという訳ではないようです。
- 山梨県・長崎県・青森県でおこなわれた福島県と同様の甲状腺検診における小児甲状腺癌発生率と比べて多くありません。[J Med Ultrason (2001). 2013 Jul;40(3):219-24.][Sci Rep. 2015 Mar 12;5:9046.]
しかし、これだけで「原発事故による小児甲状腺癌の発生はない」との結論はまだ早いのです。チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌発生のグラフと比較してみると、事故後3年間の被曝時年齢別の小児甲状腺癌数と分布のパターンはほぼ同じです。しかし、チェルノブイリ原発事故後4-6年間は、小児甲状腺癌が急激に増えています。理由として、「原発事故後も放射能汚染されたミルクを飲み続けたからだ」というのが定説ですが、本当かどうかは、放射能汚染された食品を食べなかった福島県の小児の4年後以降の結果と比べれば判るはずです。(Thyroid. 2014;24:1547-8.)
2021年3月31日(事故後10年)、先行検査に続き、20歳まで2年毎の本格検査が4巡目、25歳時の節目検査が終了。その結果、甲状腺癌218例。病理診断は甲状腺乳頭癌215名、甲状腺濾胞癌1名、低分化がん1名、その他1名でした。低分化がんがH27年より減っているのはなぜ??
そして、2022年6 月30日、先行検査に続き、20歳まで2年毎におこなう本格検査が5回目(6巡目)を向かえました。2023年5月からは30歳の節目の検査も開始されています。(新型コロナウイルス パンデミックや検査対象者の年齢上昇等により受診率は低下傾向にあり、5巡目の本格検査4回目では62.4%)
その結果は以下の通り。
結論から言うと、2024年 3月31日(事故後13年)の最新データでは、338人が細胞診診断を受けて悪性ないし悪性の疑い(甲状腺癌)と診断され、このうち285人に手術が実施されました。全例が手術にならない理由として、小児における1cm未満の甲状腺微小乳頭癌は手術適応ですが、成人してから発見された甲状腺微小乳頭癌は手術適応外の事が多いためと考えられます。
原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)2020/2021年報告書(国連総会報告書)では、原発事故時の個人別甲状腺等価線量(内部被ばくと外部被ばくの合計)と甲状腺癌の発見率に因果関係なしとする結論になっています。[J Epidemiol. 2022;32(Suppl_XII):S23-S35.][J Epidemiol. 2022;32(Suppl_XII):S3-S10.]
山梨県・長崎県・青森県でおこなわれた福島県と同様の甲状腺検診における小児甲状腺癌発生率はほぼ同じとの結果を踏まえれば、当然かもしれません。[J Med Ultrason (2001). 2013 Jul;40(3):219-24.][Sci Rep. 2015 Mar 12;5:9046.]
福島県「県民健康調査甲状腺検査(先行検査=1回目の検査)」が、2015年4月30日に終了しました。原発事故時、福島県に在住していた0-18歳の367,635名を対象に行われ、最終受診者数は300.476名(81.7%)でした。受診されていない18.3%は大丈夫なのでしょうか?実際、福島県内でも、事故現場から遠く離れた他県との県境などに住んでいれば、ほとんど被曝しなかったと推察されますが・・。
H27年6月現在、113名(震災時年齢6-18歳、男性/女性=38名/75名=約1:2)が悪性・悪性疑いの診断となり、99名が外科手術になりました。病理診断は、良性結節1名、甲状腺乳頭癌95名、低分化がん3名でした。(最終的に116名に増えました)
令和3年3月31日(事故後10年)、先行検査に続き、20歳まで2年毎の本格検査が4巡目、25歳時の節目検査が終了。その結果、甲状腺癌218例。病理診断は甲状腺乳頭癌215名、甲状腺濾胞癌1名、低分化がん1名、その他1名でした。低分化がんがH27年より減っているのはなぜ??
令和6年3月31日(事故後13年)、悪性・悪性疑いと診断された結節(甲状腺癌)338例で、手術が実施されたのは285例。1cm未満の甲状腺微小乳頭癌は手術適応外だったと考えられます。
特徴的なのは、
- 悪性・悪性疑いの診断率は10万人対37.3人=2681人に1人
- 震災時年齢6-18歳であり、5歳以下が皆無
- 男性/女性=約1:2で、成人の甲状腺乳頭癌(約1:6)より男性の比率が多い
(第58回 日本甲状腺学会 シンポジウムⅢ 福島県「県民健康調査甲状腺検査(先行検査)」結果概要)[Epidemiology. 2016 May;27(3):316-22.]
甲状腺超音波検診で発見された甲状腺癌の組織型と遺伝子診断
福島県県民健康調査の一部である甲状腺超音波検診で発見され、福島県立医科大学附属病院で手術された甲状腺癌患者68名(平均年齢17.3歳、男性/女性=22名/46名)は、
- 通常型甲状腺乳頭癌(61名)
- 濾胞型甲状腺乳頭癌(2名)
- 甲状腺乳頭癌篩型(モルラ型)(4名)
- 低分化がん(1名)
遺伝子変異は、
- BRAF V600E変異(63.2%)
- RET/PTC1再配列(8.8%)
- RET/PTC3再配列(1.5%)
- ETV6/NTRK3(5.9%)
と、成人の遺伝子変異パターンとほぼ同様で、チェルノブイリ放射線誘発甲状腺癌の報告とは全く異なるものでした。(第58回 日本甲状腺学会 シンポジウムⅡ 検診で発見された小児・若年者甲状腺癌に見られる遺伝子変異の特徴)
その後、2012年1月から2021年9月の間に手術された甲状腺癌患者220例[216例(98.2%)が甲状腺乳頭癌]では、
- 112例(50.9%)に胸骨甲状腺筋または甲状腺周囲組織への癌細胞浸潤
- 123例(55.9%)に顕微鏡的リンパ管血管浸潤
が認められたとのこと。(第67回 日本甲状腺学会 福島セッション FS-3 手術症例220例の検討)
小児甲状腺癌の進行が速いのを実感させます。
野口病院で手術された小児甲状腺癌との比較
1961-2013年の間に、野口病院で手術された小児甲状腺癌128名(平均年齢16.4 ±2.8歳、男性/女性=15名/113名)と福島県「県民健康調査甲状腺検査」を比較すると、
- 野口病院の症例は明らかに女性が多い点が異なります。
- 91%にリンパ節転移を認める(特に外側区域リンパ節に多い)点は同じです。
福島県「県民健康調査甲状腺検査」とは比較できませんが、
- 術後40年の無病再発率は65.2%
- 疾病特異的生存率は、96.1%です。高率にリンパ節転移し、再発するが、予後は良好であると言う従来の報告に一致します。
野口病院の症例は、福島県のような全員検診で見つけられたものでなく、何らかの理由で甲状腺の精密検査を行った患者のデータです。明らかに女性が多い理由は、女性ホルモンが多い(高エストロゲン血症)状態では、甲状腺乳頭癌が発育しやすいためと考えられます[Endocr Relat Cancer. 2014 Oct;21(5):T273-83.][Front Oncol. 2021 Apr 28;11:593479.][Front Endocrinol (Lausanne). 2014 Jul 25;5:124.]。
(第58回 日本甲状腺学会 シンポジウムⅡ 小児甲状腺乳頭癌の臨床的特徴と治療成績)
福島県「県民健康調査甲状腺検査」で見つかった小児甲状腺癌の治療
チェルノブイリ原発事故後に見つかった小児甲状腺癌の外科手術は甲状腺全摘手術が主でした。チェルノブイリ原発事故では、不可避的に直接、放射性ヨウ素(I-131)を吸い込んだだけでなく、小児の屋内退避がなされず、ヨウ素131で汚染された牛乳、農作物、水道水が制限を受けず流通したため、被ばく量は福島原発事故と桁違いでした(人災と言っても良いでしょう)。(チェルノブイリ小児甲状腺癌)
よって、遺残甲状腺からも発癌するリスクが高かったため、甲状腺全摘手術は当然でしょう。下手にベラルーシで甲状腺亜全摘手術を受けた小児は、予想通り遺残甲状腺に甲状腺乳頭がんが発生し、イタリアで再手術と術後放射性ヨウ素(I-131)療法を受ける結果になりました[Arch Surg. 1998 Jan;133(1):89-93.][Endocrine. 2011 Dec;40(3):432-6.]
福島県「県民健康調査甲状腺検査」で見つかった小児甲状腺癌の外科手術は、チェルノブイリ原発事故の時と大きく異なり、約92%が甲状腺片葉切除でした。(第62回 日本甲状腺学会 O4-5 小児若年者甲状腺癌片葉切除後のTSH機能の推移について)
福島原発事故の被災地では、早急に小児の屋内退避が指示され、放射能汚染されていない支援物質が運び込まれたので、チェルノブイリ原発事故のような人的被ばくは皆無でした。よって、切除範囲は通常の基準で良いのです[甲状腺乳頭癌治療(外科手術)]。
2016年、先行検査(1回目の検査)から5年が経過し、本格検査1回目(2回目の検査)も終え、
- 1382人に 5.1mm以上の甲状腺結節を認め(先行検査より若干増えた)
- 穿刺細胞診(FNA)実施率は7.3% (5.1-10.0mm),26.0% (10.1-20.0mm),50.0% (20.1mm以上)
- 悪性あるいは悪性疑いの甲状腺結節の発見率は
①先行検査で5.1mm以上の甲状腺結節を認めなかった対象者で4.8%(新たに甲状腺がんが発見)
②先行検査で5.1-10.0 mmの甲状腺結節を認めたが穿刺細胞診(FNA)を行わなかった対象者では0.9%(実は甲状腺がんだった)
③先行検査で10.1mm 以上の結節を認めるも穿刺細胞診(FNA)未実施のままだったが、本格検査1回目で初めて実施された対象者の甲状腺がんは皆無
(第62回 日本甲状腺学会O4-4福島県県民健康調査「甲状腺検査」の二次検査における穿刺吸引 細胞診の実施率の解析)[JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2019 Jan 1;145(1):4-11.]
本格検査4回目(5回目の検査)の結果、B判定(5.1mm以上の結節)は1.2%、25歳時 5.5%、30歳時 8.8%。
本格検査4回目(5回目の検査)を用いた分析は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)2020/2021年報告書に公表されました。それによると、
- 年齢別・市町村別の推計甲状線吸収線量を個人に当てはめた分析
- 基本調査によって得られている個人行動記録に基づき計算された個人別の甲状腺等価線量(内部被ばくと外部被ばくの合算)を用いた分析
の両者において、
- 被ばく線量の増加に応じて悪性ないし悪性疑い発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係)は認められていない。
- 診断時年齢分布、がん遺伝子等の分析結果からも放射線の影響は考えにくい。
とされています。[J Epidemiol. 2022;32(Suppl_XII):S23-S35.][J Epidemiol. 2022;32(Suppl_XII):S3-S10.]
- B判定(5.1mm以上の結節)は1.2%、25歳時 5.5%、30歳時 8.8%
除染対象外の森林地区に残り続けるセシウム
森林は放射性セシウムを長期間保持することが知られており、森林生態系が強く関わります。除染対象外の森林に残り続けるセシウムについて、2016.2.28産経新聞の朝刊コラムに書かれていました。森林の葉に付着したセシウムは、腐葉土となり、山菜・キノコに集積。また、腐葉土から流れ出し、河川に流れ込み、川魚イワナの体内へ。震災から4年以上経過した現在も、山菜・キノコ・イワナの放射線量は高いそうです。放射線検査に合格し県外に出るものは安心ですが、もし除染対象外の森林地区のものが、放射線検査を受けない非正規のルートで、あるいは産地を偽装して流通すれば・・・。怖い事だと思います。
森林生態系には山菜・キノコからイノシシなどの野生動物への生物濃縮も問題です。これらの生物が住処を移動すれば、移動先にセシウムが運び出される事になります。そのイノシシを山の恵として食べれば、人間にセシウムが蓄積されます。
海に出た放射性物質は海底に堆積するため、海底の食物連鎖により、海底で生活する魚種に蓄積されます。
ヨウ素131以外の放射性物質の人体への影響
ヨウ素131は8日で放射線量が半分になるので、飛び散って3週間もすれば、ほぼ消失します。再び飛び散らない限り、新たな被曝はありません。しかし、一度体内に取り込まれたセシウム・ストロンチウムは何十年も放射線を出し続けるため、どのような影響が出るのか予想不可能です。特に、被曝時の年齢が低い程、生涯の影響を心配せねばなりません。
さすがに以下は、今回の事故で飛散していないと思いますが
膵臓→ポロニウム210 (138日)
腎臓→ルテニウム106 (1年)
皮膚→クリプトン85 (10年)
骨→ラジウム226 (1620年) 炭素14 (5600年)
肺・生殖腺→プルトニウム239 (2万4000年)
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プルシアンブルー
プルシアンブルーは腸内に排出されたセシウムの再吸収を防ぎます。しかし、300 ミリシーベルト以上の放射性セシウム大量被ばくのみに有効で、30ミリシーベルト以下は無効です。
キレート剤による体内沈着プルトニウムの除去
人体に沈着した超ウラン元素(プルトニウム)を除去するのにキレート剤
-
ジトリペンタートカル静注1000mg®(ジエチレントリアミン五酢酸;DTPA)
-
アエントリペンタート静注1055mg®
が使用されます。
ウラニウム
ウラニウムは炭酸水素ナトリウムで尿のアルカリ化をはかります。
トリチウム
トリチウムは水で希釈します。
福島県の子供の甲状腺2次検査で細胞診を施行された76名のうち、10人が悪性または悪性の疑いがとされたました。細胞診の感度90%(偽陰性率10%)、特異度90%(偽陽性率10%)とすると
x=真に甲状腺癌である人数、76-x= 真に甲状腺癌でない人数
10=0.9x + 0.1(76-x)
でx=3人になります。
甲状腺機能亢進症/バセドウ病、甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌のヨード131アイソトープ治療後の内部被曝放射線測定。原発事故でヨード131による被曝が起こった際にも有用。
子供がヨード131を含む煙を吸ったかもしれないと気になる方にも。(ただしヨード131の半減期は8日ですので、それ以降の判定は難です。)
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,天王寺区,東大阪市も近く。