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バセドウ病 /甲状腺機能亢進症     [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査の長崎クリニック(大阪)]

バセドウ病の発見者 バセドウ博士

甲状腺の基礎知識を、初心者でもわかるように、長崎クリニック(大阪市東住吉区)院長が解説します。

高度で専門的な知見は甲状腺編 甲状腺編 part2 甲状腺編 part3 を御覧ください。

(左)バセドウ病の発表者、ドイツの医師のカール・フォン・バセドウ博士

アイルランドのグレーブス博士も同時期に発表しており、英国やアメリカではグレーブス病と呼ばれます。

※「バセドウ病」「バセドー病」どちらが正しいでしょうか?Basedow病なので"-ow"を発音して「バセドウ病」が正しいのです。

Summary

バセドウ病の性別・年齢・遺伝性、原因、症状、検査、治療、再発、生活上の注意を、長崎クリニック(大阪)院長が解説します。甲状腺超音波(エコー)検査、TSH受容体抗体(TRAb)、アイソトープ検査(I-123シンチグラフィー)についても説明。

バセドウ病とは

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる「甲状腺機能亢進症」の代表です。

バセドウ病患者の性別・年齢層・遺伝性

女性に多く、男性1人に対して女性4人です(逆に言えばバセドウ病の5人に1人は男性)。発病年齢は、20-30歳代が全体の過半数で、次いで40歳代、50歳代となり、若年から中年に多い病気です。

小児期発症バセドウ病も、 成人発症と同様の男女比です。

バセドウ病の遺伝性

バセドウ病の15%は、親・兄弟もバセドウ病で、遺伝的な素質も関係します。(甲状腺にもHLA遺伝子診断)

バセドウ病発病の79%は遺伝的な素質、残りの21%は環境要因(ストレス・タバコ・アレルギー・溶連菌感染など)が原因とされます(J Clin Endocrinol Metab 86:930-934,2001)。

一卵性双生児におけるバセドウ病の発端者一致率(片方がバセドウ病なら、もう片方もバセドウ病である確率)は、35%とされます。二卵性双生児の場合は4%。

バセドウ病の原因

バセドウ病は、甲状腺を刺激する異常な抗体(TSH受容体抗体:TRAb)が作られ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の代わりに甲状腺を刺激し、無制限に甲状腺ホルモンが作られます。

バセドウ病が発症するきっかけは、

  1. ストレス(転勤・人事異動・引っ越し・手術など)
  2. たばこ (タバコは甲状腺の病気に悪影響・受動喫煙;甲状腺に忍び寄る副流煙 )
  3. アレルギー (甲状腺とアレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎 )
  4. ステロイド剤中止後
  5. 出産後

などが有名です。

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バセドウ病の症状

古典的なバセドウ病の症状は、

バセドウ病の症状
  1. 甲状腺腫(甲状腺の腫れ):甲状腺全体がそのままの形ではれる「びまん性甲状腺腫」、心臓の拍動に合わせて甲状腺が震動することあります。
  2. 眼球突出(眼が飛び出る):明らかに眼が出るのは5人に1人です。 むしろ、上のまぶたがはれる(上眼瞼腫張)、まぶたが上に引っ張られ眼が大きく見える(眼瞼後退)の方が多いです。バセドウ病による眼の異常をバセドウ眼症といいます。
  3. 動悸:健康なひとの脈拍は1分間に 60~90ですが、バセドウ病では90以上のこともあります。ただし、高齢では脈拍が増えないことあります。また、バセドウ病では心臓血管障害がおこりやすく、動悸の原因であることも多いです(サイロイドハート)。

ですが、実際3つの症状がそろわない場合が圧倒的に多いです。

それ以外のバセドウ病の症状は、

  1. 新陳代謝の亢進:甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にするホルモンなので、一見ハイで、皮膚ツヤもよく、元気そうに見えます。しかし、新陳代謝の異常な亢進は、発熱・発汗(暑がり・皮膚のかゆみ)・顔や体のやつれ/体重減少・筋肉の衰え、貧血などをおこします。また、安静でも不必要にエネルギーをどんどん消費するため、疲れやすくなります。
    ※新陳代謝の異常な亢進は、食慾中枢を刺激し、体内の糖・脂肪が燃焼される以上に食べれば、逆に体重増加します。特に、胃腸が丈夫な若いバセドウ病のひとは、体重増加する可能性があります。
  2. 下痢・肝障害(無症状)
  3. 手のふるえ(お茶をいれる時にこぼすなど)
    精神的に不安定[そううつ・抑うつ・不眠症(バセドウ病はグットモーニングがない病気)]、イライラ、集中力/落ち着きがない

バセドウ病の検査

  1. 血液検査で、血中の甲状腺ホルモンを測定し、過剰になっているのを確認します。バセドウ病では、甲状腺を刺激する自己免疫抗体(TSH受容体抗体:TRAb)が正常値を超えます(>2.0)。しかし、TRAbが4未満であれば、バセドウ病でなく、無痛性甲状腺炎のこともあります。
    ※ただし、TRAbはバセドウ病発症初期に陰性のことあります。このような場合、刺激型のTS-Ab(TSHレセプター抗体[刺激型]) が陽性に出る事が多いです。(バセドウ病萎縮性甲状腺炎の特殊抗体
  2. 長崎クリニック(大阪)が得意とする甲状腺超音波(エコー)検査により、安全・簡単・迅速にバセドウ病を診断。
    バセドウ病特有の甲状腺内部の異常血管増殖と火炎状血流増加
    ・下甲状腺動脈血流増加
甲状腺超音波(エコー)検査:下甲状腺動脈血流測定

2. 甲状腺超音波(エコー)検査:下甲状腺動脈血流測定

バセドウ病 火炎状血流増加

2. 甲状腺超音波(エコー)検査:甲状腺内の異常血流増加(火炎状血流増加)のため、甲状腺組織が隠れてしまいます

正常な甲状腺 超音波(エコー)画像

正常な甲状腺 超音波(エコー)画像:バセドウ病と比べると甲状腺のサイズは小さく、内部は均一で、バセドウ病特有の血管の異常増殖は認めません。

標準的なバセドウ病 超音波(エコー)画像

標準的なバセドウ病 超音波(エコー)画像

標準的なバセドウ病 超音波(エコー)画像 ドプラー

標準的なバセドウ病 超音波(エコー)画像 ドプラー

橋本病合併バセドウ病 超音波(エコー)画像

橋本病合併バセドウ病超音波(エコー)像:変形した橋本病の甲状腺上に、異常増殖した血管が多数黒い横線として見えます。

橋本病合併バセドウ病 超音波(エコー)像 ドプラー

橋本病合併バセドウ病 超音波(エコー)像 ドプラー:異常増殖した血管に火炎状血流増加

3. アイソトープ検査。高額・時間がかかる・被曝するため、長崎クリニックでは甲状腺超音波(エコー)検査で診断できない時のみ行います。
I-123シンチグラフィー:甲状腺全体に放射線ヨウ素が大量に集まれば、バセドウ病と診断します。検査7日前からヨウ素の多い食品を制限しないと、正確な診断ができません。
99mTc(テクネチウム)シンチグラフィー:ヨード制限不要です。短期間でできますが、高価です。
99mTcO4-もI-と同じ機構により甲状腺に取り込まれるため、多量のヨード摂取[バセドウ病でのKI(ヨウ化カリウム)一日30mg投与、あるいは乾燥コンブ一日16g摂取]で甲状腺への取り込みが阻害され、バセドウ病無痛性甲状腺炎と間違える可能性あります(偽陰性)。(ヨード中止後1か月で取り込みが回復)。

バセドウ病の再発

長崎甲状腺クリニック(大阪)の抗甲状腺薬の中止基準・アイソトープ(放射性ヨウ素)治療・手術療法での再発はありません(ただし、中途半端な甲状腺亜全摘術を除く)。

一般的な抗甲状腺薬の中止基準で、バセドウ病治療中止後、再度甲状腺ホルモン上昇して来たら(20~70%のひとが再発)、78%はバセドウ病の再発ですが、22%は一時的な甲状腺の破壊による無痛性甲状腺炎です(上條甲状腺クリニックのデータ)。

上條甲状腺クリニックの統計では、

  1. 1年以内バセドウ病/甲状腺機能亢進症再発62%
  2. 2年以内再発85%
  3. 3年以内再発92%

で、結局ほとんど再発し、よくこんな中止基準を作ったものだと思います。

3年以上して再発しない人は、

  1. 平均11年そのまま寛解を維持
  2. 平均7年で3.3%再発
  3. 平均8年で3.7%甲状腺機能低下症になります

バセドウ病の再発後、抗甲状腺薬再投与の副作用

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)初回投与時に無くとも、再投与時に副作用を認める例があります。しかし、そのような症例の特徴は全く不明です。伊藤病院の報告では、バセドウ病の再発後、抗甲状腺薬再投与[MMI(メルカゾール)141例、PTU(プロパジール、チウラジール)31例]で

  1. 発疹1 例(中止期間38ヶ月)は薬剤変更が必要
  2. PTU(プロパジール、チウラジール)軽度関節痛とP-ANCA上昇1 例(0.6%) (同13ヶ月)。RI (アイソトープ)へ治療変更。
  3. MMI(メルカゾール)で発熱と白血球減少(WBC800)1 例(0.6%)(同19ヶ月)。RI (アイソトープ)へ治療変更。
(第55回 日本甲状腺学会 P2-06-10 ATD 休薬後の再投与症例における副作用出現の検討

バセドウ病の生活上の注意

甲状腺ホルモンが不安定な時期

甲状腺機能亢進症/バセドウ病
  1. 甲状腺ホルモン過剰が続いている間は、甲状腺ホルモンが常に心臓を刺激しているため、心臓障害をおこす危険があります(サイロイドハート)。そのため、運動量・運動強度、日常生活(ストレスなど)はある程度制限が必要です。
  2. 甲状腺ホルモンが不安定な状態で妊娠すると、流早産・胎児/新生児バセドウ病おこすため、甲状腺ホルモンが安定化するまで避妊しなければなりません。

バセドウ病安定期

  1. 運動量・運動強度の制限は、甲状腺ホルモンが正常化し、数か月経てば少しずつ解除します。最終的には、バセドウ病が発症する前の運動量・運動強度に戻します。
  2. 妊娠も可能になります。しかし、甲状腺ホルモンが正常化しても、TSH受容体抗体(TRAb)が高値だと胎児/新生児バセドウ病おこす危険があります。
  3. バセドウ病は、再発する可能性があることを忘れてはいけません。
    ストレス
    タバコ
    アレルギー
    は3大再発原因ですが、
    最も多い再発原因は抗甲状腺薬の不規則な服薬/自己中断です。抗甲状腺薬を自己中断するひとの10%は、体重増加が原因といわれます。これは、抗甲状腺薬の副作用ではなく、甲状腺ホルモンが正常に近くなれば、過剰な(異常な)糖・脂肪の分解がなくなるためです。そもそも、いくら食べても太らないこと自体、以上なのです。
  4. ヨードを連日過剰摂取する習慣は改めるべきです。某有名甲状腺病院のいくつかは(全部ではありませんが)「ヨウ素のとり方を心配する人もありますが、普通に食べてかまいません。」との見解です。しかし、最新の知見では、ヨードの弊害が報告されています。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎クリニック(大阪)


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