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唾液腺(顎下腺,耳下腺)と甲状腺,多形腺腫,唾石症[橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波エコー 甲状腺機能低下症 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門内分泌代長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

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唾液腺(顎下腺,耳下腺)と甲状腺

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。唾液腺の診療を行っておりません。

唾液腺=顎下腺+耳下腺+(舌下腺)

Summary

唾液腺=顎下腺+耳下腺+舌下腺。甲状腺超音波(エコー)検査で顎下腺に偶然、多形腺腫など腫瘍がみつかる。甲状腺内の多形腺腫は甲状腺腫瘍と紛らわしい。甲状腺癌の耳下腺転移は非常に稀。唾石症は食べると顎の下が腫れて痛む。頚部超音波(エコー)検査が有用な事も。顎下リンパ節は顎下線と耳下腺の間で腫れ、痛みが有る場合、無い場合あり。原因は虫歯・歯肉周囲炎・下顎骨炎、扁桃腺炎・喉頭炎、アレルギー性鼻咽頭炎など。炎症によるリンパ節反応性腫大は癌のリンパ節転移や悪性リンパ腫との鑑別が必要。鑑別できなければ穿刺細胞診か組織診。

keywords

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顎下腺腫瘍(多形腺腫)とエラストグラフィー

顎下腺 多形腺腫 超音波(エコー)画像
顎下腺 多形腺腫 超音波(エコー)画像 エラストグラフィー

顎下腺に腫瘍がみつかることがあります。写真は顎下腺に発生した多形腺腫です。多形腺腫は30-40代に好発し、やや女性に多く、甲状腺超音波(エコー)検査で唾液腺をついでに調べると偶然見つかります。

多形腺腫は80%が耳下腺、8%が顎下腺、6%が小唾液腺に発生します[Treasure Island (FL) 2020]。

多形腺腫は年単位の速度でゆっくり大きくなり、ほとんど無症状ですが、腫瘍の増大に伴う痛みや顔面神経麻痺が生ずる可能性もあります。悪性転化すると急激な唾液腺の腫れがおこります。悪性転化する前に腫瘍摘出します。

甲状腺腫瘍と紛らわしい多形腺腫

甲状腺峡部の異所性唾液腺組織に発生した多形腺腫の報告があります。胎生期に舌根の盲孔から正中原基と伴に遊走した異所性唾液腺組織に由来すると考えられます。超音波(エコー)上は、甲状腺濾胞性腫瘍あるいは腺腫様結節のように見えるため、穿刺細胞診しないと分かりません。[Hum Pathol. 2012 Jan;43(1):134-7.]

気管の外側から発生し、甲状腺内にあるため甲状腺腫瘍として切除され、術後に多形腺腫と判明した報告もあります。[J Med Ultrason (2001). 2010 Jan;37(1):27-30.]

耳下腺腫瘍と甲状腺

以下は論文で報告されているもので、長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の施設のものです。

耳下腺多形腺腫

甲状腺乳頭癌耳下腺多形腺腫は、免疫染色でエストラジオール陽性でしたが、テストステロンジヒドロテストステロンは陰性でした[Acta Otolaryngol. 1994 Mar;114(2):218-22.]。

耳下腺の巨大多形腺腫腺腫様甲状腺腫を合併し手術に難儀した報告があります[Transl Med UniSa. 2020 May 31;22:15-18.]。

耳下腺多形腺腫 超音波(エコー)画像

耳下腺多形腺腫 超音波(エコー)画像 (Radiopaediaより)

耳下腺筋上皮腫

耳下腺筋上皮腫 超音波(エコー)画像

腫瘍の1%以下の稀な良性腫瘍です。筋上皮細胞由来で、中高年女性に多く、耳下腺が約50%で口蓋、顎下腺にも発生。報告例は、前頸部(甲状腺の位置)の腫瘤を自覚し、耳鼻咽喉科を受診した際、耳鼻科医が耳下部の腫瘤に気付いたそうです。(耳鼻51:101~107,2005)

(写真 International Journal of Dental Science and Research, 2013, Vol. 1, No. 2, 28-35)

耳下腺筋上皮腫の治療は手術切除です。放置すると悪性転化する事もあります(Am J Surg 186: 702-709, 2003.)。

耳下腺腫瘍摘出術後の合併症は

  1. 術後出血・血腫
  2. 顔面神経麻痺;顔面神経は耳下腺の浅葉と深葉の間を通っているため、耳下腺手術で損傷する事があります
  3. 異常発汗;術後に神経が再分布し、汗腺に結合。食事による唾液分泌刺激で、耳下部に多量の発汗がおこります(Frey症候群)

腺房細胞癌

低悪性唾液腺癌は粘表皮癌(高頻度)と腺房細胞癌(まれ)があります。腺房細胞癌は耳下腺腫瘍の1~3%、耳下腺悪性腫瘍の約8%です。(耳鼻臨床 補42: 174-187, 1991.)

術前に腺房細胞癌と診断される事は少なく、良性腫瘍と術前診断され、不十分な切除の後に再発します。

(耳下腺腺房細胞癌 超音波(エコー)画像 Radiopaediaより)

耳下腺 腺房細胞癌 超音波(エコー)画像

甲状腺乳頭癌の耳下腺転移

耳下腺腫瘍の大部分は良性で、転移性耳下腺腫瘍は稀、甲状腺癌の耳下腺転移は非常に稀で、筆者も見た事はありません。報告では甲状腺乳頭癌半葉切除後10年、耳下部の腫瘤を自覚して発見されたそうです。甲状腺機能、血清サイログロブリン値正常(上昇しない乳頭がんは珍しくありません)、抗サイログロブリン抗体陰性、残存甲状腺に病変なし、両側内頸静脈周囲や気管周囲に有意なリンパ節腫大認めず、穿刺吸引細胞診では典型的な甲状腺乳頭癌だった様です。

元の甲状腺乳頭癌の詳細は不明ですが、耳下腺転移した甲状腺乳頭癌の超音波(エコー)所見は、境界明瞭・内部は低エコーと高エコーが混在、砂粒状石灰化認めず。おそらく濾胞型甲状腺乳頭癌だったと考えられます。

造影CT写真は掲載されていました。(内分泌甲状腺外会誌 31(2):150-153,2014)

甲状腺乳頭癌の耳下腺転移 造影CT

I-131 (放射性ヨウ素)治療(大量内用療法)後に耳下腺粘表皮癌

甲状腺癌に対するI-131 (放射性ヨウ素)治療(大量内用療法)後の2次発がんとして、耳下腺粘表皮癌が発生した報告があります。[I-131(放射性ヨウ素)大量内用療法後に耳下腺癌]

流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)

唾石症

顎下腺唾石症:食べると顎の下が腫れて痛みます。食事の際に産生された唾液の流出が障害されるためです。疼痛は唾疝痛と呼ばれ、食後、時間とともに消退、食べる度に繰り返されます。

顎下腺唾石症は甲状腺超音波(エコー)検査で見つけられることがあります。写真のような5mmに満たない唾石は、CTでは写らないため、頚部超音波(エコー)検査が非常に有用です。

顎下腺唾石症の治療は、感染を伴う場合は抗生物質、根治療法は手術で、

  1. 口腔底のWharton管開口部の付近なら、口内からの唾石摘出術
  2. 顎下腺とWharton管の移行部-顎下腺内なら顎下腺摘出術
顎下腺唾石 CT画像

顎下腺唾石 CT画像

左顎下腺の唾石症 超音波(エコー)画像

左顎下腺の唾石症

顎下腺の唾石症 Wharton管拡張 超音波(エコー)画像

顎下腺の唾石症 Wharton管拡張 超音波(エコー)画像

耳下腺の唾石症 超音波(エコー)画像

耳下腺の唾石症 超音波(エコー)画像

顎下リンパ節

顎下リンパ節は、顎下線と耳下腺の間で腫れる事が多く、原因によって痛みが有る場合と無い場合があります。

顎下リンパ節腫大(腫れること)の原因は、

  1. 虫歯・歯肉周囲炎・下顎骨炎(有痛性あるいは無痛性リンパ節腫大)
  2. 扁桃腺炎・喉頭炎(有痛性あるいは無痛性リンパ節腫大)
  3. アレルギー性鼻咽頭炎(無痛性リンパ節腫大)

など様々です。

顎下リンパ節 超音波(エコー)画像

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像

顎下リンパ節反応性腫大 ドプラーモード

顎下リンパ節反応性腫大 ドプラーモード

炎症によるリンパ節腫大を反応性腫大と言います。癌のリンパ節転移悪性リンパ腫との鑑別が必要です。

3mmの甲状腺微小乳頭癌が反対側にある顎下リンパ節に転移した報告があります[Dentomaxillofac Radiol. 2009 Dec;38(8):546-9.]。

リンパ節反応性腫大の超音波(エコー)画像所見は、

  1. 楕円形をしている
  2. リンパ門が存在している
  3. リンパ門に沿って内部血流が存在するが、リンパ門以外の血流は乏しい
  4. リンパ節周囲の血流は多くない

のが特徴です。

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像3

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像 ドプラーモード3

顎下リンパ節反応性腫大 ドプラーモード

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像2

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像 ドプラーモード2

顎下リンパ節 反応性腫大 超音波(エコー)画像 ドプラーモード

反応性リンパ節腫大 穿刺細胞診

炎症による反応性腫大と癌のリンパ節転移・悪性リンパ腫を超音波(エコー)検査で鑑別できない場合、穿刺細胞診か組織診になります。

穿刺細胞診では、

  1. 種々の成熟段階のリンパ球を認める
  2. モノクローナルな(単一な腫瘍性)リンパ球増殖を認めない
  3. 巨大な、いびつなリンパ球を認めない
  4. アポトーシス(自己崩壊した)細胞を貪食したマクロファージを認める
反応性リンパ節腫大 組織診

反応性リンパ節腫大 組織診

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)



長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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