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乾癬と甲状腺[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波エコー 甲状腺機能低下症 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。乾癬,乾癬性関節炎,強直性脊椎炎,未分化脊椎関節炎の診療を行っておりません。

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 附属病院 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

乾癬と甲状腺

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乾癬と甲状腺

Summary

乾癬(かんせん)は角化した硬い銀白色の鱗屑(りんせつ)を伴う炎症性紅斑。活性型ビタミンD3・副腎皮質ステロイド軟膏最近は生物学的製剤で治療。乾癬は自己免疫疾患とされバセドウ病関節リウマチ、クローン病と同じTh17免疫、橋本病(慢性甲状腺炎)と共通のTh1免疫。乾癬の21.6%に橋本病、14%に甲状腺機能異常を合併(乾癬の重症度、CRPが高くなる)。なぜかメタボリック症候群とも関連。乾癬性関節炎は家族性発症が多く組織適合抗原HLA-B27などが関連、皮膚症状の先行が多く、強直性脊椎炎を伴うものも。強直性脊椎炎は橋本病の合併率が高い。

Keywords

乾癬,甲状腺機能,自己免疫,バセドウ病,関節リウマチ,橋本病,甲状腺,乾癬性関節炎,強直性脊椎炎,未分化脊椎関節炎

乾癬(かんせん)とは

乾癬(かんせん)は感染しません。主に頭皮・髪の生え際・ひじ・ひざ等、物理的刺激を受けやすい部位に好発。角化した硬いカサブタを伴う炎症性の発疹[盛り上がった赤い発疹+剥がれ易い銀白色の鱗屑(りんせつ)が付着]ができます。 

鱗屑(りんせつ)を剥がし続けると、最終的に皮疹は紅斑となり、表面から点状の出血が見られます(アウスピッツ現象)。

乾癬は、自己免疫疾患なのに男女比は約2:1で男性に多く、甲状腺の病気と逆です。しかし、好発年齢は男性では30代と60代、女性では20代と50代が多いようです。 

乾癬

乾癬は

  1. バセドウ病(Thyroid. 2009 May;19(5):495-501.)、関節リウマチ、クローン病と同じTh17免疫(PLoS One. 2013; 8(1): e54895.)
  2. 橋本病(慢性甲状腺炎)と共通のTh1免疫

による自己免疫疾患とされますが、なぜかメタボリック症候群との関連が示唆されています。

乾癬の症状は

  1. 前述の発疹は全身に多発し、かゆく、掻いているうちに広がります。入浴時、こすり過ぎると広がります。ストレスで悪化します。
  2. 爪変形・脱落(高頻度);
    ①点状陥凹・白斑・油滴様爪床変色(爪乾癬に特徴的)、横溝、線状出血、爪甲剥離(ポケットに手を入れたり、冷水に浸すと痛み)など
    ②皮膚・関節症状を欠き、爪のみに病変があると爪乾癬。乾癬全体の5-10%。真菌症などと鑑別要。
    後爪郭の紅斑より組織生検(爪自体は生検できない)
  3. 約10%に乾癬性関節炎
  4. 膿疱性乾癬;発熱と化膿

尋常性乾癬

尋常性乾癬

爪乾癬

爪乾癬

尋常性乾癬の病理組織所見は、

  1. 不全角化を伴う表皮肥厚、棍棒状の表皮突起延長、真皮乳頭部の毛細血管拡張
  2. 特徴的なのは、Munro(マンロー)微小膿瘍で、角質層下に好中球が浸潤して微小膿瘍を形成します。(Reumatismo. 2007;59 Suppl 1:46-8.)
Munro(マンロー)微小膿瘍

尋常性乾癬の病理組織像;Munro(マンロー)微小膿瘍

乾癬 組織像

乾癬 組織像

乾癬の外用療法は

  1. ドボベットフォーム®;カルシポトリオール(活性型ビタミンD3)・ベタメタゾンジ(副腎皮質ステロイド)配合剤
  2. オキサロール軟膏®;マキサカルシトール(活性型ビタミンD3)
  3. 副腎皮質ステロイド軟膏

最近の乾癬治療は、生物学的製剤

  1. 関節リウマチ治療薬のTNFアルファ阻害薬[抗TNF-αモノクローナル抗体のインフリキシマブ(レミケード®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)]
  2. 抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体のウステキヌマブ
  3. 抗IL-17A抗体のセクキヌマブ、抗IL-17A受容体A抗体のブロダルマブ

などです。

膿疱性乾癬(汎発型)

膿疱性乾癬(汎発型)は乾癬の亜型。発熱に伴い紅斑と無菌性膿疱が多発。

乾癬と甲状腺

自己免疫疾患である乾癬と橋本病(慢性甲状腺炎)バセドウ病は共通の免疫異常があります(前項)。

乾癬と甲状腺の病気の合併率が高いと言う報告もあれば、否定的なものもあります。

乾癬の21.6%に橋本病(慢性甲状腺炎)を合併(Rev Assoc Med Bras (1992). 2021 Jan;67(1):52-57.)。

また、

  1. 乾癬全体の14%
  2. 全身性膿疱性乾癬の45%
  3. 乾癬性関節炎の13%
  4. 尋常性乾癬の8%

に甲状腺機能異常。

甲状腺機能異常のある乾癬患者は、重症度が高く、炎症マーカーの血清C反応性タンパク質(CRP)が高いとされます。 (J Dermatol. 2019 Dec 5. doi: 10.1111/1346-8138.15178.)

乾癬性関節炎

皮膚病の乾癬に、リウマチと似た手指関節炎(乾癬性関節炎)を合併します。肩関節、膝関節、顎関節、アキレス腱、脊椎関節にも生じ、リウマトイド因子陰性のため血清反応陰性脊椎関節炎と呼ばれます。

家族性発症が多く組織適合抗原HLA-B27などが関連します。皮膚症状の先行が多く、強直性脊椎炎を伴うものも含まれます。

非ステロイド抗炎症薬、抗リウマチ薬(メトトレキサート)、関節リウマチ治療薬のTNFアルファ阻害薬[抗TNF-αモノクローナル抗体のインフリキシマブ(レミケード®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)]が保険適応となり関節症状・皮疹に画期的な効果がみられます。

甲状腺ホルモンT4⇒T3への変換阻害が乾癬治療に有効との報告がありますが??です。甲状腺ホルモン変換阻害剤[ヨード造影剤、アミオダロン、ステロイド、プロピルチオウラシル(PTU:プロパジール、チウラジール)、ベータブロッカー]は免疫抑制目的で使用するステロイド以外は副作用の面から使い物になりません。

乾癬性関節炎と甲状腺

強直性脊椎炎

強直性脊椎炎はHLA-B27陽性者に多い。強直性脊椎炎の症状は、

  1. 慢性的な腰背部痛;仙腸骨関節炎が主体であるが、炎症反応軽微、抗核抗体(ANA)陰性、リウマトイド因子(RF)陰性、抗CCP抗体陰性のため、診断が遅れる。しかし、痛みは安静時、同じ姿勢に悪化し、運動により改善するため、気がつく。
  2. 両肘、両膝関節痛(大関節炎)
  3. 両側臀部、両側アキレス腱付着部に圧痛
  4. ぶどう膜炎、大動脈弁閉鎖不全症(AR)を合併→予後を決める

強直性脊椎炎は骨盤部エックス線で、

  1. 両側仙腸関節の不明瞭化
  2. 腰椎の辺縁硬化、骨粗鬆症像

強直性脊椎炎の治療は関節リウマチに準じてメトトレキサート(MTX)や生物学的製剤を投与。

強直性脊椎炎

強直性脊椎炎患者では、橋本病(慢性甲状腺炎)の合併率が高い(Clin Rheumatol. 2014 Jul;33(7):955-61.)。

抗TNF α治療を受けていない強直性脊椎炎患者では、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)の陽性率が高く、抗TNF α治療を受けている強直性脊椎炎患者患者では低かった(Rheumatol Int. 2013 Apr;33(4):853-7.)。

未分化脊椎関節炎

未分化脊椎関節炎は皮膚・脊椎症状をともなわない(乾癬性関節炎/強直性脊椎炎でない)股関節痛(仙腸関節炎)・手指関節炎・頚肩関節炎

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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