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甲状腺と皮膚の異常②しみ,日焼け止め,壊疽性膿皮症,主婦の手湿疹,進行性指掌角皮症,結節性紅斑[橋本病 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。皮膚疾患の診療を行っておりません。

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 附属病院 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等において学術目的で使用可能なもの(Creative Commons License)、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。尚、本ページは長崎甲状腺クリニック(大阪)の経費で非営利的に運営されており、広告収入は一切得ておりません。

Summary

黒皮症(しみ、肝斑)では甲状腺機能低下症/橋本病の合併頻度が高い。日焼け止めベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)で甲状腺ホルモン合成阻害。イソトレチノインで薬剤性甲状腺機能低下症。環状肉芽腫で橋本病バセドウ病合併。プロピルチオウラシル服薬中の甲状腺機能亢進症/バセドウ病でMPO-ANCA陽性の壊疽性膿皮症。主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症は甲状腺機能低下症亜鉛欠乏症で悪化。環状肉芽腫には甲状腺疾患ど代謝異常が関与。ベーチェット病などの結節性紅斑治療にヨウ化カリウム投与し甲状腺機能低下症、無痛性甲状腺炎急性化膿性甲状腺炎橋本病急性増悪で皮膚炎。

Keywords

しみ,橋本病,甲状腺,日焼け止め,バセドウ病,壊疽性膿皮症,主婦の手湿疹,進行性指掌角皮症,甲状腺機能低下症,結節性紅斑

以下、本ページ

  1. CREST症候群(クレスト症候群、限局性皮膚硬化症)
  2. ビタミンAと甲状腺
  3. 黒皮症(しみ、肝斑)
  4. 日焼け止めの紫外線吸収剤ベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)で甲状腺ホルモン合成障害
  5. 手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) 
  6. 多形滲出性紅斑
     
  7. 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう) 
     
  8. 壊疽性膿皮症 
     
  9. 乾癬と甲状腺 
     
  10. 尋常性天疱瘡水疱性類天疱瘡と甲状腺
  11. 疱疹状皮膚炎(ジューリング疱疹状皮膚炎) 
     
  12. 特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)
  13. コリン性蕁麻疹
  14. 慢性蕁麻疹と甲状腺 
     
  15. 汗疹(あせも)
  16. 化膿性汗腺炎 
     
  17. 扁平苔癬と甲状腺
  18. 環状肉芽腫
  19. 伝染性膿痂疹または膿痂疹(とびひ)
     
  20. 尋常性痤瘡(ざ瘡:にきび)と甲状腺
  21. スウィート症候群(Sweet症候群、急性熱性好中球性皮膚症)
  22. 慢性肉芽腫症
     
  23. 癜風(でんぷう)と甲状腺水虫(白癬菌)体部白癬
  24. 梅毒と甲状腺
  25. 過剰な血清カルシウムが皮膚に沈着(皮膚石灰沈着症)
        
  26. 結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎甲状腺機能低下症
  27. 急性化膿性甲状腺炎橋本病急性増悪の皮膚炎 
     
  28. マスクトラブル、過度なアルコール消毒と甲状腺

黒皮症(しみ、肝斑)

黒皮症(しみ、肝斑)は、メラニン色素が沈着して皮膚が黒褐色になる病態。形状が肝臓に似ているため肝斑とも言いますが、肝臓とは何の関係もありません。

黒皮症(しみ、肝斑)の原因として、

  1. 女子顔面黒皮症(リール黒皮症);化粧品に含まれる香料、防腐剤などへの過敏反応。妊娠経口避妊薬、紫外線、遺伝性が関与します(Postepy Dermatol Alergol. 2015 Oct;32(5):327-30.)
  2. ヒ素中毒症
  3. 原発性副腎皮質機能低下症、アジソン病
  4. 末期の悪性黒色腫

があります。

黒皮症

黒皮症(しみ、肝斑)と甲状腺の関係として、

  1. 黒皮症(しみ、肝斑)の58.3%に甲状腺機能障害を認めた
  2. 妊娠中または経口避妊薬の使用中に発症した黒皮症女性の70%に甲状腺機能障害を認め、特発性黒皮症の39.4%と比較して有意に高かった。
    (J Clin Endocrinol Metab. 1985 Jul;61(1):28-31.)
  3. 黒皮症(しみ、肝斑)では甲状腺機能低下症/橋本病の頻度が高い(Int J Dermatol. 2019 Nov;58(11):1231-1238.)。

日焼け止めの紫外線吸収剤ベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)で甲状腺ホルモン合成障害

日焼け止めの化粧品に使われ、紫外線をカットする紫外線吸収剤ベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)は、甲状腺ホルモン合成酵素の甲状腺ペルオキシターゼ(TPO)を阻害します。ベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)の甲状腺ホルモン合成阻害効果は、抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の20倍-200倍です。ただし、あくまで動物実験の話で、体内にベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)が100%吸収されるのを前提としており、実際はそれほど吸収されないと考えられます。(Endocrinology. 2007 Jun;148(6):2835-44.)

ベンゾフェノン2(オキシベンゾン2)は、環境省が内分泌かく乱物質に指定してあり、わずかな甲状腺刺激ホルモン(TSH)値の上昇が明暗を分ける不妊治療中の女性、妊婦は注意を要します(不妊症/習慣性流産・不育症と甲状腺)(妊娠橋本病/甲状腺機能低下症)]。

手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) 

進行性指掌角皮症

手荒れで、指先や手のひら/甲が赤くなり乾燥、角質が皮膚からはがれ落ちる鱗屑(りんせつ)・落屑(らくせつ)がみられます。進行すると、ひび割れて痛み、皮膚が薄くなりますが、かゆみはありません。

進行性指掌角皮症

主婦の手湿疹

赤い丘疹(きゅうしん)が手指にできると、かゆみを伴います。 頻回の手洗いや洗剤の使用などにより皮脂が失われ、皮膚バリアが破綻するのが原因です。

手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) は、甲状腺機能低下症亜鉛欠乏症で悪化

手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) は、甲状腺機能低下症亜鉛欠乏症等が加わると悪化します。

  1. アトピー・アレルギー素因の人は更に皮膚が乾燥しやすい
  2. 甲状腺機能低下症では皮膚の新陳代謝が悪くなり、乾燥が増強される(甲状腺ホルモン異常と皮膚・脱毛
  3. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、治療にともない甲状腺ホルモンが正常化すると、異常な発汗で潤っていた肌が元の状態になり、隠れていた手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) が現れる
  4. 亜鉛欠乏症も皮膚炎を引き起こすので、主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症は増悪(亜鉛欠乏症の症状

多形滲出性紅斑

多形滲出性紅斑(erythema exsudativum multiforme:EEM)は、同心円状の赤い炎症性発疹(紅斑)で、手足や顔に生じます。原因は、

  1. 薬剤;
    抗甲状腺薬のMMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)
     
  2. 感染症;
    マイコプラズ
    単純ヘルペスウイルス
    溶連菌 
     
  3. 虫刺され

に対するアレルギー反応。痒みや灼熱感(ヒリヒリ感)を伴いますが、発熱や水疱・びらんを認めません。

多形滲出性紅斑

多形滲出性紅斑

重症多形滲出性紅斑

重症多形滲出性紅斑は、

  1. スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson 症候群:SJS);
    セルペルカチニブ(セルパーカチニブ:selpercatinib)[J Dermatol. 2025 Jun;52(6):1066-1069.]
    豚の甲状腺から精製した甲状腺ホルモン剤(アメリカ)[Dermatol Online J. 2024 Mar 15;30(1).]。平成の時代までは日本でも豚甲状腺末(チラーヂン末)が保険収載されていました(現在、製造中止)。
     
  2. 中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal necrolysis:TEN)
     
  3. 薬剤誘発性過敏症[薬剤過敏症症候群(DIHS:Drug Induced Hypersensitivity Syndrome)];抗甲状腺薬のMMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)
中毒性表皮壊死症(TEN)

中毒性表皮壊死症(TEN)

中毒性表皮壊死症(TEN)2

中毒性表皮壊死症(TEN)

壊疽性膿皮症

壊疽性膿皮症は自己免疫性皮膚炎で、好中球性の皮膚壊死が特徴。腹部~下肢に好発し、わずかな外傷が数週間の間に、毛包炎→膿疱→辺縁が隆起する穿掘性潰瘍へ急速進展します。自己免疫性なので細菌培養は陰性。

壊疽性膿皮症はデルマドローム(Dermadrome、全身疾患に伴う皮膚病)の一つであり、その約75%は

  1. 炎症性腸疾患[クローン病(Crohn 病)潰瘍性大腸炎(UC)]
  2. サルコイドーシスベーチェット病
  3. 関節リウマチ(RA)全身性エリテマトーデス(SLE)
  4. 血管炎ANCA関連血管炎
  5. 白血病、悪性リンパ腫
  6. C型肝炎

などを合併します。

壊疽性膿皮症の治療は、軽症ならステロイド塗布、ヨウ化カリウム(KI)内服、中等度以上ならステロイド全身投与。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病の治療中に発生した壊疽性膿皮症

甲状腺機能亢進症/バセドウ病の治療中に発生した壊疽性膿皮症の報告があります。(Clin Exp Dermatol. 2006 Sep;31(5):659-61.)

また、プロピルチオウラシル(PTU)服薬中の甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、MPO-ANCA の上昇と同時に壊疽性膿皮症を認めた報告が複数あり、因果関係は強いと考えられます。(Australas J Dermatol. 1999 Aug;40(3):144-6.)(Dermatology. 2004;208(4):339-41.)(写真;Ann Dermatol. 2010 Feb;22(1):48-50.)

壊疽性膿皮症 バセドウ病

甲状腺乳頭癌全摘出後の創傷部に発生した壊疽性膿皮症

壊疽性膿皮症の発生場所になる外傷部は手術創の事があります。甲状腺乳頭癌全摘出後の創傷部に発生し、再発が疑われた壊疽性膿皮症の報告があります。血液中の好中球、炎症マーカーが増加、穿刺細胞診で壊疽性膿皮症を疑う好中球浸潤が多数認められました。(Front Endocrinol (Lausanne). 2019 Apr 18;10:253.)

壊疽性膿皮症 甲状腺乳頭癌全摘出後

甲状腺腺腫様結節が基礎疾患だった壊疽性膿皮

甲状腺腺腫様結節が基礎疾患だった壊疽性膿皮症が報告されています(Ann Dermatol Venereol. 1987;114(10):1229-34.)

特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)

特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)は、全身の25%以上が発汗低下する原因不明・後天性の病気ですが、エクリン汗腺のアセチルコリン受容体異常が原因のひとつとされます。10~30歳代の若年男性に多い。[Indian J Dermatol. 2015 Jul-Aug;60(4):422.][Curr Probl Dermatol. 2016;51:75-9.]

特発性後天性全身性無汗症(AIGA)は、自己免疫疾患と考えられており、様々な自己免疫疾患を合併します。バセドウ病との合併もあります。[Int J Mol Sci. 2021 Aug 4;22(16):8389.]

発汗のみが障害され、橋本病(慢性甲状腺炎)合併シェーグレン症候群甲状腺機能低下症と鑑別要。また、体温調節が障害され熱がこもるので、運動・入浴・高温下で高体温を来し、熱中症になりやすい(甲状腺機能亢進症/バセドウ病と鑑別)。

コリン性蕁麻疹と特発性後天性全身性無汗症(AIGA)は合併することがあります(減汗性コリン性蕁麻疹)。

特発性後天性全身性無汗症

表皮の局所的な菲薄化。真皮は僅かな血管周囲炎を認める。エクリン汗腺は見られない。[Indian J Dermatol. 2015 Jul-Aug;60(4):422.]

コリン性蕁麻疹

コリン性蕁麻疹(cholinergic urticaria)は、運動・入浴などの発汗刺激で誘発される蕁麻疹です。運動・入浴後に痛痒い紅斑・小豆大以下の膨疹が生じ、数時間で消退。

コリン性蕁麻疹の機序は不明な点が多いものの、アセチルコリン、ヒスタミンの関与は分かってます。

コリン性蕁麻疹と特発性後天性全身性無汗症(AIGA)は合併することがあります(減汗性コリン性蕁麻疹)。

[Clin Auton Res. 2018 Feb;28(1):103-113.]

コリン性蕁麻疹

[Medical News Todayより改変]

慢性蕁麻疹と甲状腺

慢性蕁麻疹は

  1. 物理性蕁麻疹(約35%);物理的刺激(擦過,寒冷,日光,温熱など)によって生じる蕁麻疹
  2. 自己免疫性蕁麻疹(25%);橋本病(慢性甲状腺炎)抗体[抗サイログロブリン抗体(TgAb)抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)]の陽性率が高い。抗ヒスタミン薬の有効率が低い(12.8%)
  3. 慢性特発性蕁麻疹(35%)

に分類されます。[Int Arch Allergy Immunol. 2007;144(3):217-25.]

甲状腺機能正常橋本病合併慢性特発性蕁麻疹患者に対する甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン、日本ではチラーヂンS)投与は、抗アレルギー剤の治療効果に影響せず、意味はないとされます。[Clin Exp Dermatol. 2010 Aug;35(6):603-7.]

汗疹(あせも)

化膿性汗腺炎

環状肉芽腫

環状肉芽腫

環状肉芽腫は、IV型アレルギーにより生じる原因不明の皮疹であるが、

  1. 糖尿病や高脂血症などの代謝異常(Clin Cosmet Investig Dermatol. 2017 Apr 26;10:141-145.)
  2. 自己免疫性甲状腺疾患などの代謝内分泌異常(環状肉芽腫の12%に認める)(J Am Acad Dermatol. 2003 Apr;48(4):517-20.)
  3. 帯状疱疹治癒後

が関与している。

チラーヂンS錠による薬剤アレルギー[薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)]もIV型アレルギーです。

環状肉芽腫は、手の甲や関節、体幹に発生し、痛みやかゆみなどの自覚症状は少ないが、時に圧痛を生じることも。

白血病、悪性リンパ腫骨髄異形成症候群(MDS)などの合併報告が多い。

環状肉芽腫は、自然軽快する事もあります。治療はステロイド外用・局所注射・内服が主体、抗ウイルス薬は無効との報告が多い。(WebMDより)

尋常性痤瘡(ざ瘡:にきび)と甲状腺

尋常性痤瘡(ざ瘡:にきび)は①甲状腺機能亢進症/バセドウ病の新陳代謝亢進に伴う皮脂分泌増加でおこる②クッシング症候群の症状(クッシング徴候の一つ③先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)21水酸化酵素欠損症でおこる症状の一つ④根治切除不能な甲状腺髄様癌に投与するバンデタニブ(カプレルサ錠®)の副作用の一つ⑤SAPHO(サフォー)症候群の部分症状のことがある。ざ瘡ケロイド患者は甲状腺機能低下症を発症するリスクが高い。未認可にきび治療薬 イソトレチノイン(ロアキュティン®、アキュテイン®)薬剤性甲状腺機能低下症甲状腺機能亢進症/バセドウ病誘発の危険。

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尋常性痤瘡(ざ瘡:にきび:acne vulgaris)とは

尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)とは、思春期男女に多い"にきび"の事です。皮脂の過剰分泌によって毛穴が詰まり、そこにアクネ菌が増殖して生じる炎症です。赤く腫れ、膿んで痛みが出ますが、瘙痒(かゆみ)はありません。顔面、背部、前胸部などの脂漏部位(皮脂が多い場所)に、毛孔と一致した紅色丘疹、膿疱、囊腫を認めまする。

尋常性痤瘡(にきび)は、

  1. 月経前に悪化[月経前症候群(月経前緊張症)]
  2. 精神的ストレス・睡眠不足で悪化
  3. 食生活の偏りで悪化
  4. 避難生活など入浴できない環境で悪化
  5. マスクトラブルが誘因となり発症

尋常性痤瘡(にきび)は、

  1. 毛包虫(ニキビダニ)
  2. ポリ塩化ビフェニル(PCB)中毒(ざ瘡様発疹)
  3. 市販の解熱鎮痛薬によるブロム中毒(ざ瘡様発疹)
  4. ベーチェット病(BehÇet病)ざ瘡様皮疹)

との鑑別を要する。

尋常性痤瘡(にきび)の治療は、

  1. アダパレンや過酸化ベンゾイル
  2. 急性期のみ抗菌薬;漫然と投与すれば耐性菌が生じる
  3. スキンケア
  4. 未認可にきび治療薬 イソトレチノイン(ロアキュティン®、アキュテイン®)薬剤性甲状腺機能低下症甲状腺機能亢進症/バセドウ病誘発の危険
  5. 含よう素泉ヨウ素イオン(I-)を含み殺菌作用・消毒作用が強く、アクネ菌などの繁殖を抑えるためニキビ(ざ瘡)に効果が期待できます。しかし、皮膚からのヨウ素ヨード)吸収量が多いと甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺機能低下症/潜在性甲状腺機能低下症/橋本病に悪影響。

  6. 酸性泉・硫黄泉は殺菌力が高く、皮膚病[アトピー性皮膚炎・ニキビ(ざ瘡)・白癬症(水虫)]に効果を有するが、刺激が強すぎるため、甲状腺機能が正常化していない甲状腺機能低下症甲状腺機能亢進症/バセドウ病亜鉛欠乏の人に向きません(甲状腺ホルモン異常と皮膚・脱毛)。

尋常性痤瘡(ざ瘡:にきび)と甲状腺・内分泌代謝

尋常性痤瘡(ざ瘡:にきび))は、

  1. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病の新陳代謝亢進に伴う皮脂分泌増加でおこる
  2. クッシング症候群の症状(クッシング徴候の一つ
  3. 先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)21水酸化酵素欠損症でおこる症状の一つ
  4. 根治切除不能な甲状腺髄様癌に投与するバンデタニブ(カプレルサ錠®)の副作用の一つ
  5. SAPHO(サフォー)症候群の部分症状のことがある

ざ瘡ケロイド患者は甲状腺機能低下症を発症するリスクが高い[Int J Dermatol. 2021 Apr;60(4):466-470.]

スウィート症候群(Sweet症候群、急性熱性好中球性皮膚症)

スウィート症候群(Sweet症候群、急性熱性好中球性皮膚症)はデルマドローム(全身疾患に伴う皮膚病)の一つであり、①上気道感染②妊娠③ワクチン接種④自己免疫性疾患[バセドウ病橋本病(慢性甲状腺炎)]、亜急性甲状腺炎⑤薬剤;G-CSF製剤(無顆粒球症が回復して、好中球増加した時に発症)と関連。慢性肉芽腫症は好中球の活性酸素生成不全でおこる原発性免疫不全症。皮膚や腸、甲状腺などに炎症性肉芽腫が生じる。好中球の活性酸素産生能を調べるNBT 還元試験は陰性。慢性肉芽腫症浸潤性アスペルギルス症による甲状腺膿瘍を来した報告あり。

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スウィート症候群(Sweet症候群、急性熱性好中球性皮膚症)は、

  1. 発熱
  2. 末梢血好中球増加
  3. 顔面や関節部に生じる好中球浸潤性紅斑;有痛性・浮腫性の紅色丘疹(紅斑)

を特徴とする炎症性疾患です。

スウィート症候群(Sweet症候群、急性熱性好中球性皮膚症)はデルマドローム(Dermadrome、全身疾患に伴う皮膚病)の一つであり、

  1. 上気道感染;A群溶血性レンサ球菌感染症後など
  2. 妊娠
  3. ワクチン接種
     
  4. 自己免疫性疾患;
    バセドウ病橋本病(慢性甲状腺炎)[AACE Clin Case Rep. 2020 Apr 3;6(4):e179-e182.][BMJ Case Rep. 2011 Aug 24;2011:bcr0220113921.]
    亜急性甲状腺炎 [Postgrad Med J. 2000 Apr;76(894):229-30.][Dermatologica. 1987;174(1):28-9.]
     
  5. 薬剤誘発性
    G-CSF製剤; 無顆粒球症 [甲状腺機能亢進症/バセドウ病に使用する抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の重篤(重症)な副作用]で投与[Intern Med. 2011;50(18):1973-6. ]
    神戸市立医療センター中央市民病院の報告では、無顆粒球症 が回復して、好中球増加した時に発症。近位筋優位の筋痛・急性腎障害(AKI)を伴うことも。(第68回 日本甲状腺学会 P24-5 無顆粒球症に対してG-CSF製剤を投与後にSweet症候群を発症したバセドウ病の1例)
     
  6. 悪性腫瘍関連;乳癌骨髄異形成症候群(MDS)白血病に合併しやすい

と関連して発症。

皮膚生検にて血管炎(ヘノッホシェーライン紫斑病)でないことを確認する必要あり。

慢性甲状腺炎シェーグレン症候群を合併したSweet病の1例」[日本皮膚科学会雑誌 2008,118(3);420]などの報告あり

橋本病(慢性甲状腺炎)に合併したSweet症候群

橋本病(慢性甲状腺炎)に合併したSweet症候群 [AACE Clin Case Rep. 2020 Apr 3;6(4):e179-e182.]

慢性肉芽腫症

慢性肉芽腫症(chronic granulomatous disease:CGD)とは、好中球が活性酸素を生成できず、細菌や真菌(カビ)に対する殺菌能が障害された病態(原発性免疫不全症)。乳幼児期から重い感染症や炎症を繰り返します。

同時に、感染がなくても過剰な炎症がおこり、皮膚や腸などに炎症性肉芽腫という炎症組織の塊り(腫瘤)が生じます。甲状腺内にも発生します。

慢性肉芽腫症には、X 連鎖劣性遺伝と常染色体劣性遺伝があり、男児が女児より多い。

好中球の活性酸素産生能を調べるNBT 還元試験は陰性(産生能低下)。

慢性肉芽腫症患者浸潤性アスペルギルス症による甲状腺膿瘍を来した報告あり[Journal of Radiology Case Reports, DOI: https://doi.org/10.3941/jrcr.5932]

癜風(でんぷう)と甲状腺

癜風(でんぷう)

癜風(でんぷう)は、皮膚に常在する酵母型真菌のマラセチア属(malassezia)が原因でおきる皮膚表在性真菌症。マラセチア属が、高温多湿(体温上昇、多汗)、皮脂などの老廃物が多い環境で菌糸型になって病原性を持つと皮膚炎を引き起こします(正に、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の環境です)。

皮疹は主として体幹に生じ、褐色(黒色癜風)か白色(白色癜風)、隆起しない楕円形斑で、粃糠(米ぬか)様の落屑(鱗屑)を伴い、わずかに痒みがある事も。爪などで擦ると粉状の軟らかい鱗屑が現れます(粃糠様落屑)。鱗屑をKOH法で検鏡すると短冊状の菌糸を認めます。

結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎・甲状腺機能低下症

結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎甲状腺機能低下症

ベーチェット病などが原因で起こる結節性紅斑の治療に、1日400~900 mgのヨウ化カリウム(KI)投与される事があります。甲状腺機能亢進症/バセドウ病に対する投与でも1日最大300 mgですので、かなりの大量投与になります。

ヨウ化カリウム(KI)の結節性紅斑に対する作用機序は不明ですが、

  1. 肥満細胞のヘパリン放出を惹起、遅延型過敏反応が抑制される
     
  2. 好中球遊走を阻害

などが考えられます。

結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎・甲状腺機能低下症

大量のヨウ化カリウム(KI)は、

  1. 甲状腺ホルモン合成・分泌を阻害して甲状腺機能低下症
  2. 元々、橋本病(慢性甲状腺炎)があると起こりやすい無痛性甲状腺炎(痛みのない破壊性甲状腺炎)

の甲状腺異常を(特に投与期間が長ければ)高率におこします。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病治療薬(抗甲状腺薬)メチマゾール(メルカゾール)・プロピルチオウラシルでも結節性紅斑

薬物による過敏反応で結節性紅斑がおこります。甲状腺機能亢進症/バセドウ病治療薬(抗甲状腺薬)メチマゾール(日本ではメルカゾール®);投与後15日で発症[Saudi Pharm J. 2017 Jul;25(5):813-815.]

プロピルチオウラシルでも発症(日本ではプロパジール、チウラジール)[Isr J Med Sci. 1985 Jan;21(1):62-3.]

メチマゾール結節性紅斑

メチマゾール結節性紅斑[Saudi Pharm J. 2017 Jul;25(5):813-815.]

結節性紅斑とは

結節性紅斑は皮下脂肪織炎(皮下脂肪組織の炎症)で、疼痛・圧痛を伴う境界不明瞭な紅斑[赤色~紫色のしこり(結節)]です。瘙痒(かゆみ)は生じない。

結節性紅斑は、

  1. 若年~更年期女性の両下腿前面へ対称性に生じる
  2. 痛みを伴う直径1〜5mmの硬く紅いしこり
  3. 発熱、全身倦怠感、関節痛などの全身症状を伴う場合もある

が特徴です。

結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎・甲状腺機能低下症

結節性紅斑の原因は不明ですが、

  1. 細菌(甲状腺機能亢進症/バセドウ病発症を誘発する溶血性連鎖球菌が最多)、結核菌、ウイルス、真菌などに対する感染アレルギー
     
  2. 悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病など)
     
  3. ベーチェット病サルコイドーシス
     
  4. 炎症性腸疾患[クローン病(Crohn 病)潰瘍性大腸炎(UC)]
     
  5. 妊娠
     
  6. 薬物による過敏反応(3〜10%);
    メチマゾール(日本ではメルカゾール®)(前項)
    プロピルチオウラシル(日本ではプロパジール、チウラジール)(前項)
    経口避妊薬、サルファ剤

などが考えられます。

結節性紅斑の治療は

  1. 安静と下肢挙上
  2. 非ステロイド性抗炎症薬
  3. 溶連菌には抗生剤

急性化膿性甲状腺炎・橋本病急性増悪の皮膚炎

急性化膿性甲状腺炎の皮膚炎

急性化膿性甲状腺炎橋本病急性増悪では、非常に強い炎症が表面の皮膚まで及び、甲状腺の直上の皮膚が発赤し熱を持ちます。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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