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地球温暖化、PM2.5と甲状腺[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺機能低下症 甲状腺超音波エコー 長崎甲状腺クリニック大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 エコー検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外(Pub Med)・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝・糖尿病に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編  内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等  糖尿病編 をクリックください

Summary

地球温暖化でヨード(ヨウ素)含有量の多い昆布(コンブ)、モズクが不作になれば、日本人のヨード(ヨウ素)過剰摂取も減り、甲状腺の病気も減少する可能性。地球温暖化で酷暑になれば甲状腺機能亢進症/バセドウ病は熱中症や甲状腺クリーゼを起こす危険が増大。甲状腺機能低下症では、冬場に甲状腺ホルモン不足が深刻になるはずが、地球温暖化で暖冬になれば①発見され難くなる②甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)増量しなく済むかも。妊娠初期・後期にPM2.5に曝露とされると、血中の甲状腺ホルモン(FT4)値が低下し、胎児の脳神経の発達に影響するとの報告あり。

Keywords

地球温暖化,ヨウ素,昆布,コンブ,甲状腺,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,甲状腺機能低下症,チラーヂンS,PM2.5

地球温暖化と甲状腺

昆布(コンブ)・モズク不作で甲状腺の病気が減る

日本は国際的にも稀なヨード(ヨウ素)過剰摂取国で、海藻類(昆布・ヒジキ・モズクなど)の摂り過ぎるためです。日本人に甲状腺の病気が多いのはヨード(ヨウ素)過剰摂取に起因します。

ヨード(ヨウ素)過剰摂取になる最大の原因食材は昆布(コンブ)で、特に出汁(ダシ)が見落とされがちです。

日本の昆布(コンブ)の90%以上は北海道で採れます。しかし、地球温暖化などの影響で、2019年の昆布(コンブ)生産量は過去最低となり、小売価格も暴騰し過去最高でした。それに加え、昆布(コンブ)と同程度のヨード(ヨウ素)を含有するモズク、ヨード(ヨウ素)含有量少ないノリ、ワカメも不作でした。

地球温暖化そのものは、人類の生存を脅かす環境問題ですが、日本人のヨード(ヨウ素)過剰摂取が減れば、甲状腺の病気も減少する可能性があるので怪我の功名と言えます。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病の熱中症が増える

甲状腺ホルモンが正常化していない甲状腺機能亢進症/バセドウ病の方(治療途中、未治療)は熱中症をおこしやすい(甲状腺機能亢進症/バセドウ病と熱中症 )。地球温暖化の影響で真夏日が続き、酷暑になれば甲状腺機能亢進症/バセドウ病の方は熱中症や甲状腺クリーゼ  を起こす危険が高くなります。

甲状腺機能低下症/橋本病が発見され難くなる

そもそも、甲状腺ホルモンは糖や脂肪(燃焼するものが無くなるとタンパク質も)を燃焼して熱エネルギーを作るホルモンです。寒ければ多くの熱エネルギーが必要なため、甲状腺ホルモンの需要量が増えます(相対的な甲状腺ホルモン不足)。よって、甲状腺機能低下症では、冬場に甲状腺ホルモン不足が深刻になり、寒さに弱い、低体温、倦怠感、便秘、むくみなどの症状が出やすくなります。

地球温暖化の影響で暖冬になれば、甲状腺ホルモン不足は深刻化しないため、甲状腺機能低下症/橋本病が発見され難くなります。また、既に甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)を服薬中の方は、冬場に増量しなく済むかもしれません。

PM2.5と甲状腺

PM2.5の発生源
PM2.5は超微小粒子

PM2.5は直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の大気中に浮遊する超微小粒子です。

小さいだけなら問題ありませんが、有害な多環芳香族炭化水素・硝酸塩・硫酸塩・アンモニウム塩を含み甲状腺・人体に悪影響を及ぼします。

PM2.5は、工場から出る煤煙・自動車の排気ガス・黄砂から発生します。

M2.5は、肺の奥深くまで届く

PM2.5は超微小粒子のため、肺の奥深くまで入り、喘息や気管支炎を悪化、肺がん発症のリスクになります。

PM2.5が甲状腺に及ぼす影響は、特に妊婦で問題となり、

  1. 妊娠初期にPM2.5に曝露とされると、血中の甲状腺ホルモン(FT4)値が低下し、
    ①胎児の脳神経の発達に影響(JAMA Netw Open. 2019 Oct 2;2(10):e1912902.)
    ②胎児の出生体重が低下(Thyroid. 2019 Aug;29(8):1147-1157.)
    するとの報告があります。
       
  2. 妊娠後期にPM2.5に曝露とされると、血中の甲状腺ホルモン(FT4)値が低下(Environ Health Perspect. 2017 Apr; 125(4):699-705.)

PM2.5の甲状腺への影響は、妊婦だけではありません。一般人口でもFT4の減少とFT3の増加によりFT4/FT3 は低下します(J Endocrinol Invest. 2021 Jul;44(7):1515-1523.)

大気汚染暴露[二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、PM10(空気力学的直径が10μm以下)]が甲状腺機能に及ぼす影響は、高齢者、肥満者において強く出ます。いずれも、有意にTSHが上昇し、甲状腺機能が低下します。(J Clin Endocrinol Metab. 2020 Aug 1;105(8):dgaa338.)

‎難燃剤への暴露は、健康に悪影響をもたらします。ポリ臭素化ジフェニルエーサー(PBD)、有機リン酸系難燃剤への暴露は甲状腺機能を低下させます。(Environ Sci Technol. 2020 Jan 7;54(1):325-334..)

ユニ・チャームマスク
シャープの「プラズマクラスター」

最近のマスクはユニ・チャームなど薬局で手に入る市販品でも、微粒子捕集効果の高いフィルターを用いPM2.5に対応しているものが多いです(筆者は大阪市立大学医学部 代謝内分泌内科の業務時はユニ・チャームマスクを愛用。新型コロナウイルスの予防効果に対しても、中国製のN95/KN95マスクよりよほど信頼できます)。布マスクは特殊繊維でできたものに限り、PM2.5に有効です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)の待合室、診察室にも設置しているシャープの「プラズマクラスター」はPM2.5のみならず、黄砂に付着している細菌やビの抑制効果もあります。

黄砂

黄砂と甲状腺

黄砂に含まれる

  1. 二酸化ケイ素
  2. 細菌や真菌(カビ)
  3. PM2.5

によって気道炎症(気管支喘息や気管支炎)、アレルギー性疾患(花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・アトピー性皮膚炎)が悪化します。アレルギーは甲状腺機能亢進症/バセドウ病の発症・再発の危険因子なので、バセドウ病の人は特に黄砂に暴露しないよう気を付ける必要があります。(甲状腺とアレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区,浪速区にも近い。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

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  • 大阪メトロ(地下鉄)谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
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