検索

関節痛・EMO症候群・HTLV-1関連関節症と甲状腺[甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝・糖尿病に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編  内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等  糖尿病編 をクリックください

肥大型骨関節症

甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。RS3PE症候群・HTLV-1関連関節症(HAAP)・乾癬性関節炎・成人スティル病の診療は行っておりません。

Summary

関節痛・RS3PE症候群・HTLV-1関連関節症(HAAP)・乾癬性関節炎・成人スティル病と甲状腺,甲状腺機能低下症/橋本病,甲状腺機能亢進症/バセドウ病,原発性副甲状腺機能亢進症の関係を解説します。抗甲状腺薬関節痛,EMO症候群(肥大型骨関節症)も説明。

Keywords

関節痛,RS3PE症候群,HTLV-1関連関節症,乾癬性関節炎,甲状腺,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,甲状腺機能低下症,肥大型骨関節症

甲状腺と関節痛

  1. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病に対する抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の副作用で、服用後2〜3週間以内に、発熱・移動性関節痛(おもに上下肢)がおこることがあります(1-2%の頻度)。(一年以上しておこる事もあり)
     
    関節リウマチ
    の様な朝の手のこわばりの事あり。(第55回 日本甲状腺学会 P2-06-06 メルカゾールにてmorning stiffness が出現したバセドウ病の1 例)
     
    メルカゾールとPTU(プロパジール、チウラジール)で出現頻度に差はなく、ある医療機関の報告では1.6%で関節炎を起こしたとされます。ANA(抗核抗体)が弱陽性になることもあります。治療は、原因となる抗甲状腺剤を減量あるいは中止し、非ステロイド系鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤を投与します。症状が消失するのに、1~3週間を要します。

    特にANCA関連疾患をおこした場合の関節炎(下記)は副腎皮質ホルモン剤が必要です。
     
  2. 肥大型骨関節症(バセドウ病バチ指/バセドウ病関節症):EMO症候群(悪性眼球突出,前脛骨粘液水腫,肥大型骨関節症) 下記
     
  3. 甲状腺機能低下症/橋本病甲状腺機能亢進症/バセドウ病でも)に潜在性シェーグレン症候群/シェーグレン症候群関節リウマチを併発すること多く、多発性関節炎をおこします。膠原病関節炎は腫れない、圧痛点がないのが特徴。
     
  4. 甲状腺機能低下症甲状腺機能亢進症/バセドウ病いずれでも高尿酸血症・痛風起こす可能性あります。
     
  5. 原発性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺ホルモンが骨破壊を促進、関節痛をおこしたり、骨折しやすくなります。
     
  6. 原発性副甲状腺機能亢進症の6~10%に関節内ピロリン酸カルシウムが沈着しており、偽痛風の原因になります。
    甲状腺機能低下症でも稀ながら偽痛風の報告がありますが、偶然の合併で因果関係なしとの論文が多いです(J Rheumatol. 1989 Jun;16(6):807-8.)。
    甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、更に稀ですが偽痛風の症例報告があります(第59回 日本甲状腺学会 P1-3-3 チアマゾールによる治療中に多発関節痛を発症した1 例)(Postgrad Med J. 1992 Apr;68(798):303. )。

MPO-ANCA関連血管炎

MPO-ANCA関連血管炎は、関節炎・皮膚炎・神経炎(多発性単神経炎)、ANCA関連腎炎、肺腎症候群、間質性肺炎、心血管障害で心筋梗塞伴います。

詳しくは、 MPO-ANCA関連血管炎 を御覧ください。

EMO症候群(悪性眼球突出,前脛骨粘液水腫,肥大型骨関節症)

EMO症候群は、

  1. 眼球突出(exophthalmos)
  2. 前脛骨粘液水腫(myxedema circumscriptum pretibiale)
  3. 肥大型骨関節症(osteoarthropathia hypertrophicans)
肥大型骨関節症

の頭文字を取ったものです。本邦で約20例の報告があるのみで極めてまれです(J Dermatology 18:598,1991.)。E,M,Oの順に出現することが多いです。バセドウ病に合併する頻度は、悪性眼球突出0.8%、前脛骨粘液水腫0.5~1.0%で、肥大型骨関節症はさらにまれです(日本内科学会雑誌 Vol. 83 (1994)  No. 2  P 308-310)。

EMO症候群は、バセドウ病の自己免疫が原因と考えられます。リンパ球浸潤・抗TSH受容体抗体・種々のサイトカインを介して線維芽細胞が刺激され、コラーゲン、プロテオグリカン、IGF-1(インスリン様成長因子)の産生亢進がおこるとされます。(New Engl J Med 326: 1733, 1992, New Engl J Med 326:1772, 1992.)

RS3PE症候群(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema)

RS3PE症候群

鑑別が必要なRS3PE症候群(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema):60歳以上の高齢者に好発し,急性に圧痕浮腫を伴う対称性滑膜炎です。関節リウマチと似ていますが、関節でなく腱の滑膜炎で関節破壊はありません。関節エコーにて腱の滑膜の増殖を証明します。

血清中の血管内皮成長因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)濃度が著明に増加、血管透過性が亢進し、対称性滑膜炎による末梢関節痛、両側手背・足背の浮腫、手指屈筋腱の炎症による疼痛がおきます。手足の浮腫で甲状腺機能低下症と鑑別・関節痛で肥大型骨関節症(バセドウ病バチ指/バセドウ病関節症)関節リウマチ合併橋本病と鑑別。

VEGFは腫瘍の血管新生に中心的役割を果たし、RS3PE症候群悪性リンパ腫など悪性腫瘍(Clin.Exp.Rheumatol.,17: 266-267,1999.)、シェーグレン症候群などに合併することあります。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病でも、甲状腺内の血管新生にVEGFが強く関与しますが、甲状腺機能亢進症/バセドウ病とRS3PE症候群の関連を示す症例は報告されていません。

HTLV-1関連関節症(HAAP)

HTLV-1関連関節症(HAAP)と甲状腺関連関節症との鑑別

成人T細胞白血病

成人T細胞白血病(AdultT-cellleukemia;ATL)ウイルスのHumanTlymphotropicvirustypeI(HTLV-I)に感染し、HTLV-I抗体を持つHTLV-Iキャリアーに発生する関節炎があります。HTLV-1関連関節症(HAAP)は大関節炎で関節滑膜が増殖。肥大型骨関節症(バセドウ病バチ指/バセドウ病関節症)関節リウマチ合併橋本病と鑑別。

HTLV-1と自己免疫性甲状腺疾患[橋本病(慢性甲状腺炎),バセドウ病]との関連

HTLV-IキャリアーのみならずHTLV-1関連ぶどう膜炎HTLV-I関連脊髄症(HAM)患者も、橋本病(慢性甲状腺炎),バセドウ病の合併が報告されています[J. Int. Med. 230, 89 (1991)]。

橋本病ではHTLV-Iキャリアーの占める率が高く、ウイルスの関与が疑われます[医学のあゆみ,160,203(1992)]。

バセドウ病経過中に成人T細胞白血病(ATL)やぶどう膜炎を合併した症例では、B細胞主体の通常のバセドウ病と異なり、浸潤リンパ球は集簇部ではT・B細胞が相半ば、濾胞間や上皮間ではCD4陽性T細胞が混在するも、B細胞はほとんどみられなかったとされます(第5回日本臨床電顕学会抄録集,1993,p.Sl53)。

乾癬性関節炎

皮膚病の乾癬に、リウマチと似た関節炎(乾癬性関節炎)を合併します。リウマトイド因子陰性で血清反応陰性脊椎関節炎と言われます。家族性発症が多く組織適合抗原HLA-B27などが関連します。皮膚症状の先行が多く、強直性脊椎炎を伴うものも含まれます。

非ステロイド抗炎症薬、抗リウマチ薬(メトトレキサート)、TNF阻害薬のインフリキシマブ(商品名レミケード)とアダリムマブ(商品名ヒュミラ)が保険適応となり関節症状・皮疹に画期的な効果がみられます。

甲状腺ホルモンT4⇒T3への変換阻害が乾癬治療に有効との報告ありますが??です。甲状腺ホルモン変換阻害剤[ヨード造影剤、アミオダロン、ステロイド、プロピルチオウラシル(PTU:プロパジール、チウラジール)、ベータブロッカー]は免疫抑制目的で使用するステロイド以外は副作用の面から使い物になりません。

未分化脊椎関節炎

未分化脊椎関節炎は皮膚・脊椎症状をともなわない(乾癬性関節炎/強直性脊椎炎でない)、股関節痛(仙腸関節炎)・手指関節炎・頚肩関節炎

成人スティル病

成人スティル病

成人スティル病は発熱(1日1回のスパイクで、発熱と発熱の間は平熱に戻る)、咽頭痛、関節痛、サーモンピンク疹が持続、風疹ウイルス感染にしては長く続き過ぎるので膠原病が疑われるも抗核抗体陰性・著明な高フェリチン血症。治療はステロイド。成人スティル病様の経過を示した破壊性甲状腺炎の症例が報告されています。

スパイク状高熱は腫瘍熱・CVカテーテル感染症・マラリアでもおこります。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病でメルカゾール投与中に発症した成人スティル(Still)病

甲状腺機能亢進症/バセドウ病治療中に成人スティル(Still)病を発症した症例が報告されています。メルカゾール投与中に甲状腺機能亢進症/バセドウ病再燃、2ヵ月後、38~40℃の発熱、咽頭痛、皮疹、肝酵素上昇あり、メルカゾール副作用の薬剤熱、薬剤過敏症候群、無顆粒球症を疑い、メルカゾール中止しても症状改善なく、後頸部、両肩、足関節の痛みも出現。さすがに、膠原病、SLE様症候群疑いますが、抗核抗体陰性、しかし、成人スティル(Still)病の診断基準は満たします。

成人スティル(Still)病と甲状腺機能亢進症/バセドウ病の合併報告は極めて稀です。抗甲状腺薬(メルカゾール・プロパジール)の副作用として発症した可能性が否定できないため、薬物治療をあきらめてアイソトープ(放射性ヨウ素; 131-I)治療か手術療法(甲状腺全摘出)するしかありません。(第59回 日本甲状腺学会 P4-3-1 バセドウ病再燃後に成人Still 病を発症した1 例)

ベーチェット病の関節炎

ベーチェット病の関節炎 を御覧ください。

糖尿病の関節障害・手が固まる

1型、2型糖尿病問わず甲状腺疾患の合併が多いとされます。詳しくは 甲状腺糖尿病 を御覧下さい

デュピュイトラン拘縮
デュピュイトラン拘縮

糖尿病では、変形性関節症が早くから始まり、重症になります。

糖尿病性手症候群(デュピュイトラン拘縮)は手がこわばり、繊細な運動が障害されます。握力低下に始まり、指と手のひらを合わせられなくなります。

(上)糖尿病性手症候群(デュピュイトラン拘縮);手のひらの腱が固まり、ボコボコした腫瘤になります。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,生野区,天王寺区,八尾市,東大阪市も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ 谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

診療時間電話番号や地図はこちら