虫垂炎と甲状腺[Alvaradoスコア(アルバラドスコア),妊娠中の急性虫垂炎][橋本病 甲状腺機能低下症 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック 大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。
長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。
甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。
甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝に御用の方は 甲状腺編 動脈硬化編 甲状腺以外のホルモンの病気(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊など) 糖尿病編 をクリックください。
妊娠中の急性虫垂炎 MRI 脂肪抑制T2強調画像[J Magn Reson Imaging. 2013 Mar;37(3):566-75.]
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。小腸・大腸の病気の診療を行っておりません。
虫垂炎と甲状腺[Alvaradoスコア(アルバラドスコア),妊娠中の急性虫垂炎] (本ページ)
Summary
コントロール不良、未治療、再発で甲状腺機能が正常化していない甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、虫垂炎自体、虫垂炎の緊急手術でも甲状腺クリーゼをおこす可能性がある。急性虫垂炎と鑑別を要するのは、虫垂癌、大腸憩室炎(盲腸憩室炎)、クローン病(Crohn病)、悪性リンパ腫、カルチノイド腫瘍、尿路結石、卵巣茎捻転、腸管ベーチェット病(Behçet病)など。Alvaradoスコア(アルバラドスコア)は急性虫垂炎の補助診断であり、確定診断にならない。妊娠中の急性虫垂炎は、虫垂の位置が子宮に押し上げられて変わるため、診断に迷う。
Keywords
甲状腺,バセドウ病,虫垂炎,手術,甲状腺クリーゼ,急性虫垂炎,Alvaradoスコア,アルバラドスコア,診断,甲状腺機能亢進症
虫垂炎は
- 虫垂へ便塊・食物残渣などが詰まる
- 腫瘍やリンパ節などが虫垂を圧排する
等の原因で起こります。
甲状腺クリーゼ は甲状腺機能亢進症が重症化した危険な状態です。コントロール不良、未治療、再発で甲状腺機能が正常化していないバセドウ病では、虫垂炎そのもの、虫垂炎の緊急手術でも甲状腺クリーゼをおこす可能性があります。
虫垂炎では
- 最初に心窩部または臍周囲の痛み(内臓痛;場所を特定しにくい腹部全体の痛み)
- 数時間して嘔気/嘔吐;回盲部の局所炎症による回腸・盲腸の運動低下
- その後右下腹部に痛みが移動(体性痛;腹膜の痛み)
- 最後に発熱
が一般的です。嘔気/嘔吐が心窩部または臍周囲の痛みに先行する場合、虫垂炎は否定的です。甲状腺機能亢進症/バセドウ病の腸管運動亢進による吐き気と鑑別要です。
急性虫垂炎と鑑別を要するのは、
- 虫垂癌
- 大腸憩室炎(特に盲腸憩室炎)
- クローン病(Crohn病)
- 悪性リンパ腫
- カルチノイド腫瘍
- 尿路結石
- 卵巣茎捻転
- 腸管ベーチェット病(Behçet病)
などです。
妊娠中の急性虫垂炎は、虫垂の位置が子宮に押し上げられて変わるため、診断に迷う可能性があります(右上腹部もあり得る)。超音波(エコー)検査で診断が付かないと、被曝やむ無しでCT検査か、迅速なMRI検査になります。治療が遅れると流早産・胎児死亡の確率が上がります。
余裕があれば腹腔鏡下虫垂切除術なども行われるようですが、待ったなしの状況なら開腹虫垂切除術をするしかないと思います。
胃カメラ・大腸カメラは、かわさき消化器内科クリニック(大阪市平野区瓜破)にお願いしています。
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
- 甲状腺編
- 甲状腺編 part2
- 内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等
も御覧ください
長崎甲状腺クリニック(大阪)は
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区,浪速区も近く。