長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2024.12.25
甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)と間違えられる甲状腺腫瘍・甲状腺結節
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
安易に、のう胞(嚢胞)と診断されても、本当は、のう胞(嚢胞)でないかもしれません。
一見、甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)に見えても、実は甲状腺腫瘍・甲状腺結節であるケースは少なくありません。通常の超音波(エコー)画像(Bモード画像と言います)にて、極めて低エコー(真っ黒)、内部構造は無いかやや不均一でコロイド様物質のように見えれば、甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)と即断されてしまいます(甲状腺専門医やベテランの臨床検査技師なら間違えることもないのですが・・・)。
先日、某総合病院に通院されている方に甲状腺超音波(エコー)検査を行いました。低エコー結節を複数認めたため、同病院の耳鼻咽喉科へ今後の診療を依頼したところ、「のう胞(嚢胞)なので問題ありません」との回答をいただきました。どうやら、耳鼻咽喉科の非甲状腺専門医が外来で自ら超音波(エコー)検査を行ったようです(技師に任せず行う姿勢には敬服しますが)。
嚢胞(のうほう)とは、体内にできる袋状の病変で、その中に液状の内容物が入っています。液体なので内部に血管は存在しません(非常に重要な点)。
嚢胞(のうほう)液は、液の粘度によって極めて低エコー(真っ黒)、低エコー(黒い)、等エコー(周囲と同じくらい白い)、高エコー(周囲より白い)いずれにも見えますが、極めて低エコーの場合が多いです。
一見、極めて低エコーで内部構造が無く、嚢胞(のうほう)液のように見えても、微妙に甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)とは形が異なり、ドプラーモードで内部血流を確認できれば、甲状腺腫瘍または甲状腺結節と診断できます。
臨床現場では、「極めて低エコーで内部構造が無い」ように見える甲状腺腫瘍・甲状腺結節が、甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)と誤認され、見逃されています。
結節性橋本病(橋本病結節)や腺腫様結節なら見逃されても生命に危険は及びませんが、甲状腺悪性リンパ腫や甲状腺濾胞癌だった場合、見落としは生命予後に影響します(命にかかわります)。
「百聞は一見に如かず」で、以下の実例を見ていただきましょう。
甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)と間違えられる甲状腺腫瘍・甲状腺結節
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
今日は「甲状腺のう胞(甲状腺嚢胞)と間違えられる甲状腺腫瘍・甲状腺結節」の話でした。
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。