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2019.12.01

妊娠悪阻(つわり)と甲状腺

妊娠悪阻(つわり)と甲状腺

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化内分泌代謝 専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。

妊娠悪阻(つわり)と甲状腺ホルモン

妊娠悪阻(つわり)は甲状腺ホルモン値に大きく影響します。

  1. 妊娠悪阻(つわり)の強い人は、甲状腺の病気と関係ない健常妊婦でも、一過性(つわりの期間だけ)の甲状腺機能亢進症おこします。(妊娠時一過性甲状腺機能亢進 )
  2. 橋本病/甲状腺機能低下症妊娠で甲状腺ホルモン剤(チラーヂン)服用中は、前述の理由で、つわりの期間だけ甲状腺ホルモン過剰状態になります。ただし、甲状腺ホルモンが多い分は胎児の脳神経の発育に問題ありません。逆に妊娠悪阻(つわり)が起こらないと、甲状腺ホルモンが不足し、流産・胎児の脳神経の発育が悪くなる可能性があります(橋本病/甲状腺機能低下症妊娠 )制吐剤(吐き気止め)

妊娠悪阻(つわり)が強すぎる時、制吐剤(吐き気止め)に

  1. ドンペリドン(ナウゼリン®)は×;ラット・マウス・ラビットの動物実験で高用量(200mg/kg)使うと骨格・眼の欠損おこす報告あるため、添付文書では妊婦に使用しないよう記載
  2. メトクロプラミド(プリンペラン®)は△;奇形や流産との関連が認められない研究が多いが、添付文書では妊婦への使用は慎重

最も、ドンペリドン(ナウゼリン®)の妊婦に対する使用報告自体ないため、本当に禁忌かどうか不明です。ただ、どちらもドーパミン受容体拮抗薬で、脳下垂体のプロラクチン分泌抑制を解除するため、高プロラクチン血症の副作用があります。プロラクチンは授乳ホルモン=妊娠させないホルモン(授乳期間中は生理が止まり妊娠できません)のため、妊娠の継続に悪影響起こす可能性あると筆者は考えております(ただし筆者は、あくまで甲状腺だけの専門医なので、この件に関しては産婦人科の主治医に相談ください)。

しかし、添付文書(正式な薬の説明書)には

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]」

になっており、使用するとしても短期間、最小限にすべきと思います。

今日は「妊娠悪阻(つわり)と甲状腺」の話でした。

詳細は、妊娠悪阻(つわり)と甲状腺 を御覧ください。

文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定専門医 長崎俊樹

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