長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2018.11.01
ヒヤリハット、気付かず処方ミス、チウラジールとチラージン
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝 専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
「ヒヤリハット」=インシデント、誤った医療行為などが実施前に発見されたり、誤った医療行為が行われたが患者に影響を及ぼさなかった場合
「処方ミスによりチウラジールとチラージンを間違えて飲む」=アクシデント、誤った医療が実施され、患者へ影響を及ぼした場合
ヒヤリハットの語源は、「ヒヤリとした」「ハッとした」で、間違った医療行為が行われそうになる事態です。「ハッ」と間違いに気付き、事なきを得ればよいのですが、間違いに気付かなければトンデモナイ事(処方ミス)になります。甲状腺の世界で長らくヒヤリハット(気付かず処方ミス)の原因であり、いまだに解決される見込みのない「チウラジール」と「チラージン」の問題。チラージン(チラーヂン)S錠は、誰でも知ってる国民的な甲状腺ホルモン剤で、甲状腺機能低下症の治療薬です。一方、チウラジール(50mg)錠は、過剰な甲状腺ホルモンを低下させるための甲状腺機能亢進症/バセドウ病の治療薬です。この相反する薬効の2つの薬は、名前が非常に似ています。
甲状腺専門医療機関の門前薬局で働く薬剤師なら間違える事は、まずありません。しかし、あまり甲状腺の患者さんが訪れない院外薬局の薬剤師、甲状腺治療薬の経験に乏しい薬剤師・アルバイト薬剤師の中には、「チウラジール」と「チラーヂン」の区別が付いていない人が少なからずいます。恐ろしいことですが事実です。
特にチラーヂンS(50)錠とチウラジール(50)錠は、数字まで同じなので、最も間違えやすい様です。[厳密にはチラーヂンS 50μg 錠とチウラジール 50mg 錠で単位が違うのですが・・・]
たとえ間違えられても、何度か同じ処方を受けていれば、シートの色が違うので患者さんの方が気付きますが、
- 初めて甲状腺の薬を処方された場合
- 認知症の掛かったお年寄り
ならどうでしょうか?何の疑いもなく飲み続けたら、甲状腺の病気が悪化して悲惨なことになります(下手したら命を失う危険もあります)。
長崎甲状腺クリニック(大阪)では、このようなヒヤリハット(気付かず処方ミス)を予防するため、田辺三菱製薬製の「チウラジール」ではなく、あすか製薬製の「プロパジール」を使用することにしています。
※「チウラジール」も「プロパジール」も、商品名は違えど同じ成分、PTU(プロピルチオウラシル)です。
詳しくは、 ヒヤリハット、気付かず処方ミス、チウラジールとチラージン をご覧ください。
今日は「ヒヤリハット、チウラジールとチラージン」の話でした。
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,天王寺区,生野区,浪速区も近く