長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2013.12.28
橋本病/甲状腺機能低下症妊娠
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
橋本病/甲状腺機能低下症妊娠
橋本病/甲状腺機能低下症の妊婦は妊娠期間中、甲状腺ホルモン剤[レボチロキシン(チラーヂンS)]の用量を変更するため、甲状腺専門医による厳格な管理が必要不可欠です。妊娠期間中、母体血の甲状腺ホルモン結合蛋白(TBG)が妊娠前の1.3-1.5倍に増えるため、1.3-1.5倍の甲状腺ホルモンが必要とされます。補充量が不十分だと、胎児脳神経の発達が悪くなり、流早産、胎盤早期剥離、子癇前症、周産期死亡の確率が増えます。
妊娠中の甲状腺ホルモン値は目まぐるしく変化します。そのため、橋本病/甲状腺機能低下症妊婦は妊娠期間中、甲状腺ホルモン剤[レボチロキシン(チラーヂンS)]の用量を適時変更しなければならず、甲状腺専門医による厳格な管理が必要です。
また、甲状腺ホルモンが正常であっても、橋本病の自己抗体[自分の甲状腺を破壊する抗体;抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)・抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)]が高い女性は習慣性流産/出産後甲状腺炎をおこす確率が高いとの報告がありますが、一方で関係ないとの意見もあります(結論として、抗体の有無は関係なく、TSHの値が全てです)。ただ、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)陽性妊婦では、妊娠が進むにつれ、甲状腺ホルモン低下か顕著になり、流早産の危険は増していきます。
米国甲状腺学会ガイドライン2017に準じて
- 妊娠前期(13週まで):甲状腺刺激ホルモン(TSH) <2.5 μIU/mL
- 妊娠中期(14週~27週): 〃 <3.0 μIU/mL
- 妊娠後期(28週~41週): 〃 <3.0 μIU/mL
になるようコントロールします[Thyroid. 2017 Mar;27(3):315-389.]。
詳細は 妊娠と橋本病/甲状腺機能低下症 を御覧ください。
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
今日は「橋本病/甲状腺機能低下症妊娠」の話でした。
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。