長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2013.10.18
メタボと思っていても実は!?----副腎、クッシング症候群
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
クッシング症候群とは
副腎皮質ステロイドホルモンの1つ、コルチゾールが過剰かつ自律性分泌される病気をクッシング症候群と呼びます。軽症型および初期には典型的なクッシング徴候を認めず、糖尿病や高血圧、高脂血症、骨粗鬆症などメタボリック症候群/生活習慣病とほぼ同じで、動脈硬化も進行します(プレクリニカル クッシング症候群・サブクリニカル クッシング症候群)。
コルチゾール過剰状態が長く続くと、
- お腹が出ている割に手足が細くなりる(中心性肥満)
- 顔もむくんだ赤ら顔になる(ムーンフェイス)
- 首回りも脂肪が蓄積し(野牛様脂肪沈着)、甲状腺超音波(エコー)検査すると脂肪が邪魔で甲状腺が見えにくくなる
- 多毛、にきび、腹部や臀部(でんぶ;尻)に赤いスジ(赤色皮膚線状)ができる
- 腕や下肢の皮膚が薄くなり、毛細血管が透けて皮下出血しやすくなる(あざができる
- ナトリウムの体内貯留が亢進し、内分泌性浮腫もおこる
- 精神的にも不安定になる(ステロイド精神病)
- 免疫力が低下、感染症をおこしやすく、敗血症で亡くなることがあ
- 子供で発症すると骨の発育が止まり低身長に
- ステロイド高血圧、ステロイド高脂血症、ステロイド骨粗しょう症
下垂体性(クッシング病)と異所性ACTH産生腫瘍では、ACTHが皮膚のメラノコルチン受容体を刺激して色素沈着が生じます。
クッシング症候群の診断には、
- 血中コルチゾール・ACTH(脳下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモン)を測定
- 尿中遊離コルチゾール(UFC)(基準範囲 20〜100 μg/Cr=μg/day)を測定
- 負荷試験(デキサメサゾン抑制試験)で診断[デキサメサゾン1mg抑制試験で抑制されねば8mg抑制試験]
抗結核薬リファンピシン、糖尿病治療薬ピオグリタゾン(アクトス®)は、肝臓での薬物代謝酵素CYP3A4を誘導し、デキサメサゾン分解が亢進するため、偽陽性になる
- 血中コルチゾールを朝夕測定し、ほぼ同じ値であれば正常なコルチゾール日内変動が消失
(コルチゾールは午前8時頃ピークになりますが、この時間の採血は不可能なので午前9時頃採血します。
真夜中以降最も低いコルチゾールになりますが、この時間の採血は不可能なので午後6時頃採血します)
- コルチゾールを産生する副腎腫瘍(ほとんど良性副腎腺腫、時に副皮質腎癌)、ACTH産生下垂体腺腫自体を画像診断で見つけ出す。手術で摘出し、病理標本から組織型が分かる
詳しくは、 高血圧・糖尿病・メタボ、実は副腎の病気/副腎腫瘍(クッシング症候群)、 アレルギー性鼻炎薬で副腎の病気に? を御覧ください
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
今日は「メタボと思っていても実は!?----副腎、クッシング症候群」の話でした。
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。