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チラーヂンSの副作用・アレルギー・肝障害  [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

チラージンS

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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Summary

甲状腺ホルモンは人間の体内に存在する自然物質なので副作用おこるはず無し。唯一、チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)は添加物にトウモロコシデンプン[レボサイロキシン「サンド」®はバレイショ(じゃがいも)デンプン]、三二酸化鉄などが含まれ、薬剤アレルギー(扁平苔癬など)/薬剤性肝障害(Ⅳ型アレルギー)の原因に。チラーヂンS散はトウモロコシデンプンのみ。(潜在性)甲状腺機能低下症では動脈硬化が進行、隠れ狭心症・心筋梗塞の可能性あり、チラーヂンS(チラージンS)で顕在化するため、特に高齢者は少量から開始。

Keywords

甲状腺ホルモン,副作用,チラーヂンS,レボチロキシン,アレルギー,肝障害,甲状腺機能低下症,狭心症,チラージンS,レボサイロキシン

※「チラーヂンS」と「チラージンS」、「ヂ」と「ジ」どちらが正しいと言う訳ではありませんが

甲状腺ホルモンそのものは、人間の体内に、自然に存在する生体物質です。甲状腺機能低下症では、不足分の甲状腺ホルモンを補充するだけなので、副作用がおこるはずありません。

問題は、チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)に含まれる添加物で起きるアレルギー反応。および(潜在性)甲状腺機能低下症動脈硬化が進み、隠れ狭心症・心筋梗塞になっている状態で、チラーヂンS(チラージンS)を投与すると、甲状腺ホルモンの心臓刺激作用により、それらが顕在化します。

チラーヂンS錠12.5μg

チラーヂンS錠12.5μg

チラーヂンS錠25μg

チラーヂンS錠25μg

チラーヂンS錠50μg

チラーヂンS錠50μg

チラーヂンS錠75μg

チラーヂンS錠75μg

チラーヂンS錠100μg

チラーヂンS錠100μg

チラーヂンS散

チラーヂンS散

レボサイロキシン25μg(ジェネリック)

レボサイロキシン25μg「サンド」®

レボサイロキシン50μg(ジェネリック)

レボサイロキシン50μg「サンド」®

チラージンS錠で薬剤アレルギー

チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)には、添加物として部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン、D-マンニトール、三二酸化鉄、その他3成分(非公表)が含まれ、薬剤アレルギーの原因になります。

  1. チラーヂンS錠12.5μg25μgのピンク色は三二酸化鉄
  2. チラーヂンS錠100μgの黄色は黄三二酸化鉄
  3. チラーヂンS錠・S散ともにトウモロコシデンプン
    サンド製薬のレボサイロキシン ナトリウム「サンド」®にはバレイショ(じゃがいも)デンプン

稀ですが、

  1. 過敏症状(薬疹;発疹、かゆみ)
  2. 薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)

おこします。チラーヂンS錠が原因か調べるにはリンパ球刺激試験(DLST)を」行います。リンパ球刺激試験(DLST)が陽性になれば診断付きますが、実際陽性はめったにありません。

チラーヂンS錠による薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)は、特に着色料の三二酸化鉄が原因と考えられています。よって、チラーヂンS錠12.5μg25μg100μgでおこるが、無着色のチラーヂンS錠50μg、75μgでは起こらない可能性があります。[日本内科学会雑誌 102(1) 143-146 (2013.1)]

リンパ球刺激試験(DLST):Ⅳ型アレルギーを診断。薬剤アレルギー症状が見られても、発症直後は陰性が多く、陽性になるのは1~2 ヵ月後で役立たずのこと多い。(午後・休日前はできません)

薬剤アレルギー[薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)]

チラーヂンS錠による薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)は、特に着色料の三二酸化鉄が原因と考えられています。よって、チラーヂンS錠12.5μg25μg100μgでおこるが、無着色のチラーヂンS錠50μg、75μgでは起こらない可能性があります。[日本内科学会雑誌 102(1) 143-146 (2013.1)]

しかし、部分アルファー化デンプン、D-マンニトール、その他3成分(非公表)が原因なら、無着色のチラーヂンS錠50μg、75μgでも起こります。

チラーヂンS錠開始後、数カ月間は肝臓の数値を調べる

チラーヂンS錠による薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)は、まれですが一定の割合で認められます。現在、長崎甲状腺クリニック(大阪)でも14人(R1.6現在)おられます。もちろん、AST(GOT)、ALT(GPT)が100を超える前に見つけて、チラーヂンS散に変更し、大事には至りません。

アレルギー性肝障害は、遅延型(遅くに起こる)アレルギーなのでチラーヂンS錠開始後、1年してから起こる事もあります。最低でも数か月間は肝臓の数値を調べるべきです。

長崎甲状腺クリニック(大阪)ではチラーヂンS錠開始後は、必ず甲状腺機能と同時に、肝臓の数値もチェックします。

チラーヂンS錠による薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)が疑われたら

チラーヂンS錠による薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)が疑われたら、迷わずチラーヂンS散に変更してください。チラーヂンS散の添加物はトウモロコシデンプンだけなので、トウモロコシアレルギーが無い限り薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)はおこりません。

薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)を起こしているのに、チラーヂンS錠を飲み続けたら

チラーヂンS錠による薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)に気付かず、原因不明の肝障害として延々と検査を続け、チラーヂンS錠を中止せずに飲み続けたらどうなるか?1年以上飲み続けた報告では、AST 281 IU/l(正常値10-40)、ALT 540 IU/l(正常値5-45) とトンデモナイ値になったそうです。(第56回日本甲状腺学会 P1-083 チラーヂンS 錠内服後に発症した薬剤性肝障害の1 例)

極めて稀だが甲状腺ホルモン剤で重症肝障害

極めて稀ですが甲状腺ホルモン剤[レボチロキシン(L-T4);普通に考えるとチラーヂンS錠で、レボサイロキシン「サンド」®でないと思いますが]で重症肝障害おこした報告もあります。

68歳女性で、TSH 44.313 μU/mLの甲状腺機能低下症/橋本病に、甲状腺ホルモン剤(L-T4)12.5 μg開始、1 か月して25 μg に増量後3日にAST 3102 IU/L、ALT 1846 IU/L、T-Bil 8.38 mg/dL と高度の肝障害を認めたそうです。肝生検にて、小葉中心性に肝細胞の壊死・周囲の胆管内には胆汁栓・門脈域には炎症細胞浸潤を認め薬剤性肝障害と診断。(第59回日本甲状腺学会 O7-5 甲状腺ホルモン剤にて重症肝障害を来した橋本病の一例)

更に、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の報告には死亡例も含まれているため、チラーヂンS錠開始後は、必ず肝機能を調べねばなりません。

薬剤アレルギー[薬疹]

意外と報告例が少ない、チラーヂンS錠による薬疹(薬剤アレルギー)ですが、甲状腺ホルモンが抗原となり起こるのでなく、チラーヂンS錠の添加物[部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン、D-マンニトール、三二酸化鉄、その他3成分(非公表)]が原因と考えられます。

チラーヂンS散の添加物はトウモロコシデンプンだけなので、トウモロコシアレルギーが無い限り、チラーヂンS散に変更すれば解決します。

トウモロコシアレルギーもあり、チラーヂンS散に変更しても発疹が出た方がおられましたが、幸い軽いⅠ型アレルギーだったので、花粉症・アトピー性皮膚炎で使う抗アレルギー剤で解決しました。

トウモロコシアレルギーがある場合、サンド製薬のレボサイロキシン ナトリウム錠「サンド」®はトウモロコシでなく、バレイショ(じゃがいも)デンプンなので、バレイショ(じゃがいも)アレルギーが無ければ使用可能。ただし、レボチロキシン ナトリウム錠「サンド」®は散剤が存在しません。よって、何らかの添加物(部分アルファー化デンプン、D-マンニトールなどの成分)が薬疹(薬剤アレルギー)の原因となり得ます。

それ以外の方法として、T3 製剤(チロナミン®)へ変更すれば薬疹が改善したとする報告もあります(第57回日本甲状腺学会 P2-063 Levothyroxine sodium(Thyradin S)により薬疹を認めた慢性甲状腺炎の1 例)。チロナミン®には部分アルファー化デンプンと三二酸化鉄は入っていません。ただし、筆者はT3 製剤(チロナミン®)の使用は、最後の手段で、最初から使用すべきでないと考えます。T3 製剤(チロナミン®)は、T4製剤(チラーヂンS)と異なり、半減期が極めて短く、血液中の濃度が安定しません(多過ぎたり、少な過ぎたりします)。また、直接心臓を刺激するため、過剰になれば不整脈・狭心症を誘発する危険が高くなります。

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、RASTアレルゲン検査で

トウモロコシとバレイショ(じゃがいも)を調べます。

チラーヂンS錠の長期投与で扁平苔癬(薬疹の一種)

扁平苔癬

チラーヂンS錠服薬4年後に扁平苔癬(薬疹の一種)が生じて、リンパ球刺激試験(DLST)にてもチラーヂンS錠が陽性だった報告例があります(第60回日本甲状腺学会 P2-7-9 チラーヂンSにて扁平苔癬を生じ、チラーヂンS散にて出産に至った1例)。

Ⅳ型アレルギーは、遅延型(遅くに起こる)アレルギーなのでチラーヂンS錠開始後、数年して起こり得ると言う事です。

(写真 American Academy of Dermatologyより)

隠れていた狭心症・心筋梗塞が顕在化

そもそも甲状腺機能低下症/潜在性甲状腺機能低下症/橋本病では動脈硬化が進行し、既に狭心症・心筋梗塞の一歩手前の可能性あります。甲状腺ホルモンは直接心臓に作用するため、隠れていた狭心症・心筋梗塞が顕在化する場合があります(これをチラージンS錠の副作用とは言えませんが・・・)。 詳細はこちら

特に高齢者では狭心症・心筋梗塞の予備軍の可能性を考慮し、甲状腺ホルモン補充は低用量から少しずつ慎重に増量する必要があります。長崎甲状腺クリニック(大阪)では、甲状腺の初診の方は、最初に心電図を録らせていただき、チラージンS錠投与後にも再度心電図検査を行います。

ただ、中にはチラージンS錠投与前に精密検査行い、狭心症・心筋梗塞の可能性が完全に否定されても、最低量のチラージンS錠で心筋梗塞おこす場合もあり得ます。群馬大学の報告では、68歳の男性、事前に負荷心筋シンチで虚血性心疾患合併を否定し、チラージンS錠12.5 μg/日の最小量で開始したにも係らず亜急性心筋梗塞起こしたそうです。高齢者の甲状腺機能低下症は、例え狭心症や心筋梗塞の既往が無くとも、チラージンS錠投与後に発症しうることを忘れてはなりません。(第56回 日本甲状腺学会 P1-070 レボチロキシン補充療法中に心筋梗塞を発症した橋本病の2 例)

チラーヂンS 75μg /チラーヂンS 100μg は、間違いの元

チラーヂンS 75μg も販売されてはいますが、そこまで多種になると患者さんが混乱する元になります。また、長崎甲状腺クリニック(大阪)の処方箋を多く扱う院外薬局なら問題ないのですが、チラーヂンSをあまり多く扱わない院外薬局、アルバイトの不慣れな薬剤師が多く来る院外薬局では処方ミスの元になりかねません。

さらに、チラーヂンS 75μg は粒が大きく、甲状腺が大き方、甲状腺腫瘍がのどを圧迫している方は、飲みにくいようです。長崎甲状腺クリニック(大阪)ではチラーヂンS 75μg を可能な限り使用しない事にしています。(チラーヂンS 50μg +25μg 錠で処方いたします。昔からチラーヂンS 75μg を服用していて、絶対に間違えない人には処方します)

チラーヂンS 100μg はさらに粒が大きく、甲状腺が大き方、甲状腺腫瘍がのどを圧迫している方は、飲みにくいです。長崎甲状腺クリニック(大阪)ではチラーヂンS100μg を可能な限り使用しない事にしています。用量が大きいだけに、慣れていない薬局・薬剤師が、12.5μg25μg50μgと間違えて出すとトンデモナイ事になります、 (チラーヂンS 50μg x 2錠で処方いたします。)

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,天王寺区,浪速区,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

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