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甲状腺機能低下症・橋本病,甲状腺機能亢進症で、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)・周期性四肢運動障害[バセドウ病 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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内分泌代謝(副甲状腺・副腎・下垂体)専門の検査/治療/知見 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺専門内分泌代謝長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの(Creative Commons License)、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。尚、本ページは長崎甲状腺クリニック(大阪)の経費で非営利的に運営されており、広告収入は一切得ておりません。

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。亜鉛欠乏症、むずむず脚症候群の診療を行っておりません。

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)

Summary

甲状腺機能低下症/橋本病患者ではむずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の有病率が高く、むずむず脚症候群患者では甲状腺機能低下症潜在性甲状腺機能低下症の有病率が高い。甲状腺ホルモンとドーパミン作動系との不均衡がむずむず脚症候群の発症に寄与し、甲状腺ホルモンはむずむず脚症候群患者における睡眠の質に影響する可能性。甲状腺機能亢進症妊娠時一過性甲状腺機能亢進症患者でもむずむず脚症候群の有病率が高く、鉄欠乏によりドーパミン受容体作動性物質合成酵素の活性が低下している可能性。周期性四肢運動障害はむずむず脚症候群に合併。

Keywords

甲状腺機能低下症,橋本病,むずむず脚症候群,レストレスレッグ症候群,甲状腺,甲状腺機能亢進症,甲状腺ホルモン,潜在性甲状腺機能低下症,ドーパミン,鉄欠乏

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)とは

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群:restless legs syndrome)は、下肢に不快な感覚(虫がはうような感覚、むずむず感、ほてり感など)が生じ、夕方から夜間に症状がひどくなります。脚を動かすと不快感が軽くなるため、絶えず脚を動かします。下腿の不快感のため、不眠(入眠困難、中途覚醒)、日中の眠気、抑うつを来します。

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の原因として、脳内ドーパミン作動系細胞の機能異常が有力視されています。基礎疾患の無い特発性と、2次性(続発性)に分けられます。

2次性(続発性)むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の原因として、

  1. 亜鉛欠乏
  2. 鉄欠乏性貧血
  3. 葉酸欠乏症葉酸欠乏性貧血
  4. 巨赤芽球性貧血、悪性貧血
  5. 妊娠
  6. アトピー性皮膚炎
  7. 甲状腺機能低下症
  8. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病
  9. 糖尿病性神経障害アルコール性神経障害
  10. 慢性腎不全、尿毒症性神経障害、痛風
  11. 抗うつ剤、パーキンソン病
  12. 炎症性腸疾患[クローン病(Crohn 病)潰瘍性大腸炎]
  13. 線維筋痛症

があります。 

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の予防は、不眠を増悪するカフェイン、アルコール、喫煙を避けることが第一です。薬物治療として、

  1. ドパミン(D2)アゴニスト[ドパミン受容体作動薬]が第一選択薬;プラミペキソール(ミラペックス®、ビ・シフロール®)、ロチゴチン(ニュープロ®)
  2. 抗てんかん薬のガバペンチン
  3. ガバペンチンエナカルビル『レグナイト錠®』;ガバペンチンの改良型。血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)増加の有害事象が1例(0.5%)報告されている(筆者は偶然と考えています)。動物実験では、甲状腺重量増加。

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)に保険適応となりました。

抗てんかん薬のクロナゼパム(リボトリール®、ランドセン®)はレム睡眠行動異常症の第一選択薬です。

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)を軽減させるため家庭でできる事は、以下の通り(Sleep Foundation HPより改変)

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)を軽減させるため家庭でできる事

むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)と甲状腺

甲状腺機能低下症/橋本病患者では、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の有病率が高く、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)患者では甲状腺機能低下症の有病率が高い(J Sleep Res. 2020 Jun 1:e13091.)[Biomedicines. 2022 Oct 7;10(10):2502.]。

また、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)患者は、健常人対照者と比べて血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が有意に高く(p < 0.001)、潜在性甲状腺機能低下症の有病率も高かった[オッズ比(OR)8.00;95%信頼区間(CI)= 3.50-18.30;p < 0.001]。甲状腺ホルモンとドーパミン作動系との不均衡が、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の発症に寄与している可能性があります。[Front Neurol. 2022 Aug 12;13:974229.]

同時に、TSHとピッツバーグ睡眠質指数(PSQI)の間には有意な正の相関(r = 0.728、p < 0.001)、International Restless Legs Scales(IRLS)ポイントの間にも有意な正の相関(r = 0.627、p < 0.001)が認められました。甲状腺ホルモンはむずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)患者における睡眠の質に影響を与える可能性があります。[Front Neurol. 2022 Aug 12;13:974229.]

甲状腺機能亢進症患者でもむずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の有病率が高い(Parkinsonism Relat Disord. 2004 Mar; 10(3):149-51.)

甲状腺機能亢進症/バセドウ病妊娠時一過性甲状腺機能亢進 では、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)の頻度が高い。これらの患者では鉄欠乏により、ドーパミン受容体作動性物質合成酵素の活性が低下している可能性があります(Clinics (Sao Paulo). 2010 May;65(5):548-54.)

周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害(periodic limb movement disorder)は、むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)にしばしば合併します。

周期性四肢運動障害では、睡眠中に足のピクツキが周期的に出現、脳が覚醒し睡眠が浅くなります。睡眠検査にて周期性四肢運動指数が15回/時間を超えます。

自己免疫性脳炎において周期性四肢運動障害を来す場合があります[Neurol Sci. 2023 Apr;44(4):1351-1360.]。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,浪速区,生野区,天王寺区,東大阪市も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

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大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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