ニコチン酸欠乏(ペラグラ)、ビタミンB6欠乏症[甲状腺機能低下症 橋本病 甲状腺機能亢進症 バセドウ病 甲状腺エコー検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
内分泌代謝(副甲状腺・副腎・下垂体)専門の検査/治療/知見 長崎甲状腺クリニック(大阪)
甲状腺専門・内分泌代謝の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 代謝内分泌内科学教室で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。
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長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。ニコチン酸欠乏(ペラグラ)、ビタミンB6欠乏症の治療を行っておりません。
Summary
ナイアシン[=ニコチン酸とニコチンアミド(ビタミンB3)の総称]欠乏によるペラグラは、低栄養状態の独居の認知症高齢者で増加。ペラグラの症状は甲状腺機能亢進症/バセドウ病そっくり①精神神経症状・認知症症状(Dementia、甲状腺機能低下症の様)②下痢(Diarrhea)③皮膚症状(Dermatitis)。るい痩(体重減少)低は栄養状態、下痢を反映。甲状腺機能亢進症/バセドウ病、クッシング症候群ではビタミンB6の消費が激しくビタミンB6欠乏症に。ナイアシンは放射性ヨウ素増感剤として巨大甲状腺腫や放射線抵抗性バセドウ病患者に有用。
Keywords
ナイアシン,ニコチン酸,ニコチンアミド,ペラグラ,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,甲状腺機能低下症,甲状腺,クッシング症候群,ビタミンB6
ナイアシン[=ニコチン酸とニコチンアミド(ビタミンB3)の総称]欠乏によるペラグラは、栄養状態が悪くなりがちな独居の認知症高齢者で増加傾向にあります。(ペラグラ:pellagra、すっぱい皮膚という意味)
※ナイアシン=ニコチン酸とニコチンアミド(ビタミンB3)の総称
※たばこのニコチンではありません
ペラグラ(pellagra)の歴史は深く、18世紀にバルカン半島で大流行が起きました。16世紀ごろアメリカからヨーロッパに伝わったトウモロコシは、収穫率の高さから栽培に適したバルカン半島などで広く栽培され、主食の一つになりました。しかし、トウモロコシには十分なニコチン酸(ナイアシン、ビタミンB3)が含まれておらず、ペラグラの大流行を引き起こしたのです。
ニコチン酸欠乏によるペラグラ(pellagra)の症状は甲状腺機能亢進症/バセドウ病そっくりです。3Dが典型的ですが、全て揃うのは半数位です。
- 精神神経症状;甲状腺機能亢進症/バセドウ病、甲状腺機能低下症の様
認知症症状(Dementia);甲状腺機能低下症の様
- 下痢(Diarrhea)(甲状腺ホルモンと下痢)
- 皮膚症状(Dermatitis);日光に当たる露出部に鱗屑痂皮を伴う紅斑。皮膚科を受診すれば、意外と簡単に見つかる事も。しかし、接触皮膚炎・脂漏性湿疹と誤診されて、ステロイド軟膏投与されても改善しません。
- るい痩(体重減少);症状と言うより、原因となる低栄養状態、下痢を反映(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の様)
ペラグラの治療はニコチン酸投与です。劇的に改善します。
また、ニコチン酸(ニコチンアミド)は、一酸化窒素合成酵素(NOS)発現と有機過酸化物の合成亢進により、甲状腺の放射性ヨウ素(I-131)の感受性を高めます[Horm Metab Res. 2006 Jan;38(1):12-5.]。よって、ナイアシンは放射線増感剤として使用でき、巨大甲状腺腫や放射性ヨウ素抵抗性バセドウ病患者の治療に有用[Pol Merkur Lekarski. 2010 Jul;29(169):54-7.]。
ニコチン酸は、正常範囲内で血中甲状腺ホルモン濃度を低下させます。チロキシン結合グロブリン(TBG)の減少による可能性が考えられます。[Mayo Clin Proc. 1995 Jun;70(6):556-8.]
ニコチン酸は、正常範囲内で血中甲状腺ホルモン濃度を低下させます。チロキシン結合グロブリン(TBG)の減少による可能性が考えられます。[Mayo Clin Proc. 1995 Jun;70(6):556-8.]
秋に美味しいギンナン(銀杏、イチョウの実)には、ビタミンB6(活性型はピリドキサール-5'-リン酸)の構造類似体4'-メトキシピリドキシンが含まれ、ビタミンB6に拮抗してその働きを阻害します。ギンナン(銀杏)を多量に食べると数時間でビタミンB6欠乏症がおこります。
甲状腺乳頭癌の甲状腺全摘術後に行ったFDG-PET/CT画像で頸部、胸部、腹部に集積(取り込み)が認められ、悪性リンパ腫を疑われたが、実はイチョウの実(ギンナン)によるアレルギー反応だった報告があります。[Clin Nucl Med. 2016 Sep;41(9):716-7.]
甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモンはビタミンB6の必要量を増加させるため、甲状腺機能亢進症/バセドウ病、クッシング症候群ではビタミンB6の消費が激しくなります。[Vitam Horm. 1978;36:53-99.]
ビタミンB6欠乏症では、
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長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区,浪速区も近く。