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抗GAD抗体・IA-2抗体・ZnT8Aと甲状腺)[橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波エコー検査 甲状腺機能低下症 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 代謝内分泌内科(内分泌骨リ科)で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

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緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)

長崎甲状腺クリニック ゆるキャラ Jo

動脈硬化した血管に甲状腺が! バセドウ病の甲状腺がモデル)

長崎甲状腺クリニック(大阪)では甲状腺専門クリニックに特化するため、糖尿病内科を廃止しました。

Summary

1型糖尿病合併バセドウ病,橋本病抗GAD抗体陽性率・抗体価は高いが必ずしもインスリン依存性・インスリン分泌能を反映せず。抗GAD抗体価高値なら抗TSH受容体抗体価(TRAb)も高値。バセドウ病だが糖尿病でない人の約4%は抗GAD抗体陽性、ほとんど1型糖尿病にならず。バセドウ病の5%、橋本病の4%はIA-2抗体陽性。ZnT8Aも陽性。緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)[成人潜在性自己免疫性糖尿病]抗GAD抗体陽性なら抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)保有率20%以上。抗サイログロブリン抗体(TgAb)TPOAbは膵ベータ細胞障害の危険因子。

Keywords

1型糖尿病,バセドウ病,橋本病,抗GAD抗体,IA-2抗体,緩徐進行1型糖尿病,SPIDDM,潜在性自己免疫性糖尿病,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体,TPOAb

抗GAD抗体・IA-2抗体・ZnT8Aと甲状腺

膵β細胞(インスリンを作る細胞)を壊す自己抗体の抗GAD(Glutamic acid decarboxylase)抗体抗Insulinoma-associated antigen-2 抗体(IA-2抗体:IA-2Ab)を持っていると、インスリンが出なくなる糖尿病(1型糖尿病)になる可能性があります。[抗GAD抗体IA-2抗体ZnT8Aの詳細はこちら]

  1. 自己免疫性甲状腺疾患(バセドウ病,橋本病)を合併した1型糖尿病[APS(多腺性自己免疫症候群)3A型]では、抗GAD抗体の陽性率・抗体価ともに高いとされます。[Diabetes. 1994 Jan;43(1):80-6. doi: 10.2337/diab.43.1.80.][J Autoimmun. 1995 Oct;8(5):633-43.]
     
  2. しかし、バセドウ病での抗GAD抗体は、必ずしもインスリン依存性(インスリン分泌能)を反映しません。
    抗GAD抗体価が高くても、インスリン依存にならない症例も報告されています。(第58回 日本甲状腺学会 P1-11-7 hypothyroid Graves' diseaseの経過中に抗GAD抗体陽性糖尿病を合併したが、薬物使用なくコントロールされている1例)
    橋本病(慢性甲状腺炎)でも同じことが言え、抗GAD抗体陽性率は約5%ですが、インスリン感受性やインスリン分泌能と関連しない[Exp Clin Endocrinol Diabetes. 2006 Sep;114(8):412-6.]
     
  3. 一方、抗GAD 抗体価 20000 U/mL 以上の高値を示すバセドウ病症例は、
    ①抗TSH 受容体抗体価(TRAb)も高値で、甲状腺機能が正常化しにくい(難治性バセドウ病)との報告もあります。(第59回 日本甲状腺学会 P1-2-3 Basedow 病と1 型糖尿病を合併した5 症例の検討)(Metabolism. 2011 Jun;60(6):761-6.)
    ②TRAb 10 IU/L 以下の低力価、甲状腺腫大軽度、治療反応性の患者はいなかった。(第60回 日本甲状腺学会 P1-3-7 当院における1型糖尿病に合併したバセドウ病の臨床的特徴)

バセドウ病糖尿病の合併がない人の1.5%は抗GAD抗体陽性[Endocr J. 1999 Dec;46(6):747-54.]とされ、さらに詳しい報告では、

  1. バセドウ病糖尿病の合併がない人の約4%で抗GAD抗体陽性:ほとんど1型糖尿病にならない。4 例を7 年~19.5 年(中央値13.2 年)観察し、糖尿病の発症は認められなかった
  2. バセドウ病2型糖尿病の合併がある人の約6%は抗GAD抗体陽性
  3. バセドウ病1型糖尿病の合併がある人の約90%は抗GAD抗体陽性:抗GAD 抗体価が高い。
    (第57回 日本甲状腺学会 P1-022 抗GAD 抗体陽性で糖尿病のないバセドウ病患者の長期観察)

また、日本人ではなく中国人のデータですが

バセドウ病

  1. 約7%は抗GAD抗体陽性
  2. 約5%は抗Insulinoma-associated antigen-2 抗体(IA-2Ab)陽性
  3. 約8%は亜鉛トランスポーター8抗体(zinc transporter 8 autoantibody:ZnT8A)陽性

橋本病

  1. 約8%は抗GAD抗体陽性
  2. 約4%は抗Insulinoma-associated antigen-2 抗体(IA-2Ab)陽性
  3. 約11%は亜鉛トランスポーター8抗体(zinc transporter 8 autoantibody:ZnT8A)陽性

バセドウ病もしくは橋本病合併1型糖尿病

  1. 74.1%は抗GAD抗体陽性
  2. 44.4%は抗Insulinoma-associated antigen-2 抗体(IA-2Ab)陽性
  3. 42.6%は亜鉛トランスポーター8抗体(zinc transporter 8 autoantibody:ZnT8A)陽性

[Endocr Connect. 2021 May 19;10(5):534-542. ]

緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)[成人の潜在性自己免疫性糖尿病(latent autoimmune diabetes in adults :LADA),1.5型糖尿病]

インスリン非依存状態で、2型糖尿病と思っていても、実は緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)の場合があります。インスリン非依存状態の糖尿病の約10%は緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)とされます。

緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)成人の潜在性自己免疫性糖尿病(latent autoimmune diabetes in adults :LADA)とも呼ばれ、1型糖尿病2型糖尿病両方の性質を備えます(1.5型糖尿病)。

緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)

  1. 血糖コントロールが悪い
  2. BMIと尿酸値が低く、メタボリックシンドロームの有病率が低い
  3. T細胞性膵島炎、ベータ細胞を欠く偽萎縮性膵島(1型糖尿病の特徴)、膵島細胞へのアミリン(膵島アミロイドポリペプチド)沈着の欠如(2型糖尿病の特徴)、
  4. 進行抑制にDPP-4阻害剤を含むいくつかの薬物が有効
  5. 抗GAD抗体陽性;発症後も長期間持続し、発症年齢の影響を受けません。
  6. 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)保有率が20%以上
  7. 特に男性でGAD抗体価が高い場合、
    protein tyrosine phosphatase [IA-2IC and IA-2(256-760)]抗体、zinc transporter 8 (ZnT8)抗体
    抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)悪性貧血の抗壁細胞抗体、セリアック病の組織トランスグルタミナーゼ抗体(transglutaminase antibodies)など他の臓器特異的自己抗体を有する確率が高い。

[Diabetes Metab Syndr Obes. 2019 Nov 28;12:2461-2477.][Diabetes Care. 2007 Apr;30(4):932-8.][J Clin Endocrinol Metab. 2012 Oct;97(10):3759-65.]

緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)

BML(ビー・エム・エル)検査センターからいただいた緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)の診断基準。

APS(多腺性自己免疫症候群)

APS(多腺性自己免疫症候群)は複数の自己免疫病を合併する病態です。

  1. APS3型では抗GAD抗体/抗IA-2抗体を持つ1型糖尿病バセドウ病(または橋本病)が合併し、バセドウ病の場合は上記の理由で糖尿病性ケトアシドーシスをおこす可能性がある(甲状腺機能亢進症/バセドウ病糖尿病性ケトアシドーシス)
    ただし
    抗GAD抗体/抗IA-2抗体を持っていても1型糖尿病を発症するとは限らない
    一般的には緩徐進行1 型糖尿病(SPIDDM)のことが多い[APS(多腺性自己免疫症候群)3型]
     
  2. APS2型では1型糖尿病バセドウ病/橋本病に、自己免疫性副腎皮質機能低下症(アジソン病)が合併しカーペンター症候群と呼ばれる[APS(多腺性自己免疫症候群)2型]

甲状腺自己抗体[抗サイログロブリン抗体(TgAb)または抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)]は、膵ベータ細胞障害の独立した危険因子[Diabetes Res Clin Pract. 2008 Apr;80(1):114-21.]

 

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

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  • 大阪メトロ(地下鉄)谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

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