長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2015.05.06
レンバチニブ(商品名:レンビマ)
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝 専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
※長崎甲状腺クリニック(大阪)ではネクサバール錠・レンビマの取扱いはありません
レンビマカプセル(レンバチニブ)の適応
レンビマカプセル4mg(一般名:レンバチニブメシル酸塩)は、甲状腺分化癌(甲状腺乳頭癌・甲状腺濾胞癌)のみならず、甲状腺髄様癌・甲状腺未分化癌を含む根治切除不能な甲状腺がんに適応のある日本で始めての分子標的薬です。
レンビマ(レンバチニブ)の作用機序
レンビマ(レンバチニブ)の作用機序は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR) や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、KIT、RET などの腫瘍血管新生・腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼ(RTK)に対する選択的阻害薬です。特に甲状腺がんの増殖、腫瘍血管新生に関与するVEGFR、FGFR およびRET を同時に阻害します。
レンビマ(レンバチニブ)の効果
臨床第III相試験(SELECT試験)において、
- 無増悪生存期間(甲状腺がんの進行がなく生存した期間)は、レンバチニブ群で中央値18.3か月、プラセボ群(有効成分の入っていない薬を飲んだ群)で3.6か月でした。
- 64.8%にレンビマ(レンバチニブ)投薬に対する反応(改善)がありました。
レンビマ(レンバチニブ)の副作用
レンビマの副作用はネクサバールと同じようなものですが、ネクサバールより血管新生阻害作用が強いため、高血圧・ネフローゼ症候群・出血・血栓症が多いとされます。
レンバチニブ治療の副作用は高血圧(67.8%)、下痢(59.4%)、疲労感(59.0%)、食欲不振(50.2%)、体重減少(46.4%)、吐き気(41.0%)でした。14.2%が副作用により使用中止しました。
甲状腺学会でも、全科がかかわるような副作用に「がん専門医でない甲状腺専門医が対応できるのか?」との意見が相次ぎました。確かに、これほど重篤な副作用のオンパレードでは甲状腺専門病院・クリニックでの対応は不可能と思えます。甲状腺専門医がいて、かつ全科そろった大学病院クラスでなければ使用は困難でしょう。
詳しくは、 「放射線治療無効な甲状腺癌」にネクサバール・レンビマ を御覧ください。
今日は「レンビマ®」の話でした。
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市も近く。