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甲状腺と膠原病    [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

強皮症

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックにつき、膠原病の診療は行っておりません。

Summary

膠原病の抗核抗体(ANA)は甲状腺の自己抗体でも160倍くらいには上昇。ウイルス感染や、ウイルス感染が原因の亜急性甲状腺炎でも一過性に陽性化。甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺機能低下症/橋本病(慢性甲状腺炎)は持続的な発熱(微熱〜高熱)、全身倦怠感、易疲労感、体重減少、リンパ節腫脹など膠原病と共通症状。全身性エリテマトーデス(SLE)合併甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、血球減少などから抗甲状腺剤は出しにくい。全身性強皮症橋本病(慢性甲状腺炎)合併は40%、特にシェーグレン症候群を合併すると50%、甲状腺機能低下症になると、顔面の皮膚硬化が強くなる。

Keywords

膠原病,抗核抗体,ANA,甲状腺,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,甲状腺機能低下症,全身性エリテマトーデス,SLE,全身性強皮症,橋本病

膠原病と抗核抗体(ANA)と甲状腺

抗核抗体(ANA)と甲状腺

抗核抗体(ANA)は、何らかの自己免疫疾患で陽性になります。抗核抗体(ANA)は、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)でも弱陽性になるため、必ずしも膠原病と言う訳ではありません。

抗核抗体(ANA)の基準値は40倍未満ですが、健常者の抗体価は通常80倍以下になります。抗核抗体価が160倍以上の場合は二次検査として、膠原病特異的自己抗体を調べるのが一般的ですが、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)でも160倍くらいになります。320倍以上の場合にはSLE、全身性硬化症、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、多発筋炎、混合性結合組織病の6つの膠原病を疑う必要があります。そもそも、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)と膠原病は、同じように自己免疫で起きるため合併率は高いのです。

また、抗核抗体(ANA)が高値(640-1260倍)と言うだけで、甲状腺機能低下症と同じような全身倦怠感が起こります。もちろん、甲状腺機能低下症に似た症状になる亜鉛欠乏症副腎皮質機能低下症下垂体前葉機能低下症などにも異常ありません。不思議なのは、抗核抗体(ANA)が高値であるのに、全身倦怠感以外の膠原病特異的な症状が皆無で、何の膠原病の診断基準も満たさないのです。

抗核抗体(ANA)とウイルス感染

抗核抗体(ANA)はウイルス感染や、ウイルス感染が原因の亜急性甲状腺炎でも一過性に陽性化する事あります。無痛性甲状腺炎橋本病(慢性甲状腺炎)関節リウマチ、赤芽球癆、再生不良性貧血を引き起こすヒトパルボウイルスB19、B型肝炎ウイルス(HBV)、橋本病(慢性甲状腺炎)合併率の高いC型肝炎ウイルス(HCV)、風疹ウイルス(生ワクチン接種)、東南アジア・アフリカで感染したデングウイルス・チクングニアウイルスなどで起きやすいとされます。

膠原病と甲状腺

膠原病のほぼ共通症状として、

  1. 持続的な発熱(微熱〜高熱)(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の様)
  2. 全身倦怠感、易疲労感(甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺機能低下症の様)
  3. 体重減少(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の様)
  4. リンパ節腫脹(甲状腺機能亢進症/バセドウ病橋本病の様)

などがあります。そもそも、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)と膠原病は、同じように自己免疫で起きるため合併率している事も多いです。

膠原病の個別症状は、かなり特徴的ですが、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺機能低下症/橋本病でもあり得る症状も多いです。

抗核抗体(ANA)の染色パターンと対応する膠原病特異抗体

和文名 英文名 代表的抗体
均等型 homogeneous pattern 抗ds,ssDNA抗体、抗ヒストン抗体、抗mi-2,pm-1抗体、甲状腺自己抗体
辺縁型 peripheral pattern(shaggy pattern) 抗ds,ssDNA抗体
斑紋型 speckled pattern 抗RNP抗体、抗Sm抗体、抗SS-A,SS-B抗体、抗Scl-70抗体、抗Ku抗体、抗Ki抗体、抗PCNA抗体、抗RANA抗体,甲状腺自己抗体
核小体型 nucleolar pattern 抗Scl-70抗体、抗PCNA抗体
細胞質型 cytoplasmic pattern 抗Jo-1抗体、抗リボソーム抗体、抗ミトコンドリア抗体
PCNA型 proliferating cell nuclear antigen pattern 抗PCNA抗体
セントロメア型(散在斑紋型) centromere pattern(discrete speckled pattern) 抗セントロメア抗体

全身性エリテマトーデス(SLE)経過中に発症する甲状腺機能亢進症/バセドウ病

全身性エリテマトーデス(SLE)合併甲状腺機能亢進症/バセドウ病に抗甲状腺剤を使用できるか?

愛媛県立中央病院によると全身性エリテマトーデス(SLE)合併甲状腺機能亢進症/バセドウ病の報告例は、2013年の全国集計で63 症例。既にSLEでプレドニン®(プレドニゾロン;PSL)、免疫抑制剤等投与されていると、新たに抗甲状腺剤は出しにくいです。

  1. やはり抗甲状腺剤は血球系に対する副作用多く、血球減少が重篤化する事も多々ある。
  2. SLEでも血球減少している、あるいは減少する可能性が高い。
  3. 抗甲状腺剤の副作用としてSLE 様症状がある(愛媛県立中央病院によると63症例中、抗甲状腺剤治療された48 名のうち約17%がSLE の症状悪化に類似した副作用おこしたとの事です。)

以上より、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が軽症の場合、131-Iアイソトープ治療の方が良いとされます。(第56回 日本甲状腺学会 P1-024 SLE の経過中にバセドウ病を併発しアイソトープ治療が奏功した一例)

抗SS-A抗体陽性全身性エリテマトーデス(SLE)

本来シェーグレン症候群の特異抗体である抗SS-A抗体陽性の全身性エリテマトーデス(SLE)では、蛋白漏出性胃腸症起こしやすいとされます。免疫複合体が消化管の毛細血管に沈着し、血管透過性が亢進するのが原因です。軟便が続き、低アルブミン血症、全身浮腫が著明になります。タンパク漏出シンチグラフィーで診断できますが、アイソトープ施設のある大学病院などでしか行えません。(日本内科学会雑誌 100:119-125,2011)

橋本病(慢性甲状腺炎)合併全身性強皮症(SSc)

橋本病(慢性甲状腺炎)合併全身性強皮症(SSc)

全身性強皮症の40%に橋本病(慢性甲状腺炎)合併、特にシェーグレン症候群を合併した全身性強皮症橋本病(慢性甲状腺炎)合併は50%です。

全身性強皮症では、顔面の皮膚硬化により、表情が乏しくなり、仮面様顔貌になります。甲状腺機能低下症/橋本病(慢性甲状腺炎)合併すると、①顔面の皮膚硬化が強くなり、②活動性の低下により、さらに仮面様顔が強くなります。 

全身性強皮症の手指は、初期は写真左のように腫脹しますが、進行すると写真右のように硬化します。

強皮症
舌小帯萎縮(強皮症)

舌小帯萎縮も全身性強皮症に特徴的です。

全身性強皮症は、食道の硬化により飲み込みも悪くなり(嚥下困難)、巨大甲状腺腫、甲状腺腫瘍甲状腺機能低下症/橋本病(慢性甲状腺炎)甲状腺機能亢進症/バセドウ病合併すると更に飲み込みが悪くなります。

10年生存率70%で、死因の25%は肺高血圧症。悪性腎硬化症・悪性高血圧に至る強皮症クリーゼ起こす事も。

パウル・クレー

全身性強皮症だったとされる、スイスの芸術家パウル・クレー。仮面様顔貌か!?

パウル・クレーの作品

パウル・クレーの作品。仮面様顔貌か!?

パウル・クレーの作品

パウル・クレーの作品。仮面様顔貌か!?と言う前に、芸術もついにここまで来たか・・・。

CREST(クレスト)症候群(限局性皮膚硬化症)

MCTD(混合性結合組織病)と甲状腺

混合性結合組織病(MCTD)は、抗U1-RNP抗体が必ず陽性で、SLE、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎の症状/検査所見が混在、独自にMCTD肺高血圧症(最大の死因)・三叉神経痛あり。シェーグレン症候群(25%)、慢性甲状腺炎[橋本病](10%)合併します。

混合性結合組織病(MCTD)と肺高血圧症

肺高血圧症は、混合性結合組織病(MCTD)の最大の死因です。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病自体でも、肺血流量の増加、それにともなう肺動脈内皮細胞の障害による肺血管抵抗増大で肺高血圧症に至ります。混合性結合組織病(MCTD)を合併すれば更に肺高血圧症が起こり易いと言えます。

詳しくは、 甲状腺機能亢進症/バセドウ病の肺高血圧症合併 を御覧ください。

混合性結合組織病(MCTD)と三叉神経痛

膠原病で三叉神経痛おこすことあり、MCTD(混合性結合組織病)では抗RNP抗体と同じく特徴的な合併症です。バセドウ病橋本病など自己免疫性甲状腺疾患の合併多く、甲状腺も検査する必要あります。

詳しくは、 動脈硬化で三叉神経痛 ・脳幹部血管圧迫による神経性高血圧症 を御覧ください。

 

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
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