長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2015.12.30
現代日本にも脚気(かっけ)・ビタミンB1欠乏
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
ビタミンB1(チアミン)欠乏により高拍出量性心不全(脚気心)と末梢神経障害をおこします。心不全で下肢のむくみ、末梢神経障害で手足のしびれ/腱反射低下がおきます。初めは体がだるい、動悸・息切れなど低血糖・甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症/バセドウ病・甲状腺機能低下症)に似た症状です。
ビタミンB1欠乏症/潜在的ビタミンB1欠乏症(脚気予備軍)は、現代日本で増加しています。
ビタミンB1欠乏症の原因
- 甲状腺機能亢進症でビタミンB1消費が増大/甲状腺機能低下症による食欲低下でビタミンB1摂取不足
- 糖尿病で、血糖に対するビタミンB1の相対的な不足
- 食事の代わりに酒を飲むアルコール依存症の人は、絶対的なビタミンB1摂取不足
- 三食ともインスタント食品(カップラーメン)やスナック菓子を食べるという極端な偏食。過剰な糖質の消費に必要なビタミンB1の摂取量が相対的に不足
- 過度なダイエットや欠食、外食。女子大生の血中ビタミンB1値が非常に低いことが報告されます
- 血液透析(透析時水溶性ビタミン除去/小食傾向)
- ビタミン剤を含まない長期の高カロリー輸液
- 感染症などでの消耗
- 胃切除後などでビタミンB1含有食品を食べれない
ビタミンB1欠乏症の症状
- エネルギー代謝が低下、疲労物質である乳酸の代謝も悪くなり、疲労感・倦怠感がでてきます。(甲状腺機能低下症の様)
- エネルギー代謝が低下、糖を分解できず、糖が脂肪に変換されるため、肥満になります。(甲状腺機能低下症の様)
- 脳は元々、糖を分解し大量のエネルギーを消費しているため、脳の活動が低下、集中力の低下・精神不安定になります。 (甲状腺機能低下症の様)
- 末梢神経障害で手足のしびれ/腱反射低下(甲状腺機能低下症の様)
- 高拍出量性心不全(脚気心)による動悸・息切れ・下肢のむくみ(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の様)
- 代謝性アシドーシス:血液が酸性に傾く、恐ろしい状態です。昏睡になり、ほとんど死亡します。
- ウェルニッケ・コルサコフ症候群
一般的な血液検査で異常なく、甲状腺・副腎・下垂体・卵巣・精巣などのホルモン検査、亜鉛も異常なし。
異常がないのが、異常です。
このような場合、食生活のヒアリングと血中ビタミンB1測定を行います。ただし、血中ビタミンB1測定結果は、1週間かかるため、ビタミンB1剤を飲んでいただき、治療効果による診断を行います。
- 左心機能正常の心不全(高拍出量性心不全):甲状腺機能亢進症/バセドウ病単独でも高拍出量性心不全
- ビタミンB測定
詳しくは、 現代日本にも脚気(かっけ)・ビタミンB1欠乏 を御覧ください。
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
今日は「現代日本にも脚気(かっけ)・ビタミンB1欠乏」の話でした。
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市も近く。